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民俗芸能の学校教育における継承と活用に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530619
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育学
研究機関首都大学東京

研究代表者

小国 喜弘  首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (60317617)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード民俗芸能 / 学校教育 / 民俗学 / 教育学 / 伝統芸能
研究概要

学校教育で民俗芸能を取り上げようとする文部省による政策的な誘導は、戦後でいうと、1960年代にその萌芽が見られ、1980年代から徐々に始まってきた。
政策要因としては主に二つがあげられる。一つは、1960年代以降の少年非行の高まり、1980年代以降の治安悪化への政策当局者たちの懸念を背景として、祭りや芸能の継承に一種の治安維持的な機能を期待するというものである。この流れは、生涯学習社会への転換が模索された1980年代の臨教審答申によりはっきりと示され、近年の教育基本法改正に至るまで、芸能自体のもつ教育力への注目として、社会統制力のいわば下からの強化が重要な背景要因となっている。もう一つは、政治・経済・文化のグローバリゼーションの波を受けて、ナショナル・アイデンティティ自体が再構築を迫られている点であろう。日本の伝統文化の一環として、地域の民俗芸能に注目し、それを学校で教えさせようとする流れであり、これも1980年代中曽根政権以来、徐々に強まっている。
後者の理由のほうが世間的に通りやすいこともあり、政策提言においてより強調されているのは後者であり、そこに治安維持的な機能を同時に滑り込ませるといったかたちでの政策展開が多いことが分かった。
今回の調査で興味深かったのは、学校や地域において取り組んでいる教師や社会教育関係者たちは、必ずしもこのような政策動向を意識しているわけではないという点にある。意識している場合、治安維持的な機能に政策側が注目している点には、むしろ批判的な意見を持っ人たちが多く含まれていた。彼らが芸能を教育に取り入れようとするのは、踊りや演奏自体の魅力が大きいこととともに、踊る喜び、演奏する喜びを通じて、新たなコミュニティを在地において形成し得る魅力を感じているからであった。さらに、学校が地域外の芸能をしばしば取り上げることにより、将来的に見れば在地文化の一大変動の契機をなしている可能性を示唆することになった。

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 交錯する民俗学と教育学-学校教育における伝統芸能の創出をめぐって2007

    • 著者名/発表者名
      小国 喜弘
    • 雑誌名

      人文学報 381号

      ページ: 27-41

    • NAID

      110006483991

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Relationships between pedagogy and folkrore studies2007

    • 著者名/発表者名
      Kokuni, Yoshihiro
    • 雑誌名

      Jinbunakuho(Tokyo Metropolitan University) 381

      ページ: 27-41

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] 研究ノート 交錯する民俗学と歴史学 -学校教育における伝統芸能の創出をめぐって-2007

    • 著者名/発表者名
      小国 喜弘
    • 雑誌名

      人文学報(首都大学東京都市教養学部人文・社会系/首都大学都市教養学部人文・社会系,東京都立大学人文学部 編) 381号

      ページ: 27-41

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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