研究分担者 |
岡 睦雄 東京理科大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011697)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50176161)
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186869)
齋藤 睦 (齋藤 睦美) 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70215565)
徳永 浩雄 首都大学, 東京・大学院・理工学研究科, 教授 (30211395)
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研究概要 |
(1)Duc Tai Pho氏との共同研究により,標数5における Artin 不変量が3の超特異K3曲面は単有理であることを証明した.これは,「すべての超特異K3曲面は単有理であろう」という Artin-Shioda 予想に対する新しい肯定的証拠である. (2)複素数体上の代数的K3曲面上にあらわれる正規特異点の組み合わせをすべて分類した.この結果から,十分大きな標数における超特異K3曲面上にあらわれる正規特異点の組み合わせについてもいくつかのことが言える. (3)数体F上定義された代数多様体Xを考える.基礎体Fを複素数体に埋め込むことによりXから複素多様体が得られるが,その超越格子は一般にFの複素数体への埋め込みに依存する.これらの超越格子について考察し,複素数体の自己同型のもとで共役であるが位相同型とはならない代数多様体の例を多数構成した.特にXが特異K3曲面の場合に,これらの超越格子の集合を,虚2次体の類体論を用いて詳しく調べ,応用として,複素特異K3曲面の定義体の有理数体上の次数に下からの限界を与えた. (4)数体F上定義された特異K3曲面Xを有限素点Pで還元して超特異K3曲面X(P)が得られるとすると,X(P)のネロン・セヴェリ格子の中でのXのネロン・セヴェリ格子の直交補格子を考えることができる.有限素点Pを動かしたときのこの格子を調べ,超越格子の場合と類似の定理を得た. (5)グラスマン多様体内の双対多様体の補集合の位相的基本群に対して,Lefschetz型の超平面切断定理を証明し,さらにこの基本群を点付きリーマン面のブレイド群の剰余群として記述する方法を得た.
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