研究課題/領域番号 |
18540009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
増岡 彰 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50229366)
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研究分担者 |
天野 勝利 日本工業大学, 工学部, 非常勤講師 (40400642)
塩谷 真弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30251028)
竹内 光弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00015950)
坪井 明人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30180045)
森田 純 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20166416)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,630千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ホップ代数 / 量子群 / ピカール・ヴェシオ理論 / テンソル圏 / 組紐圏 / アフィン群スキーム / コサイクル変形 / アフィン群 / 形式群 / 組ひもカテゴリー / テンソルカテゴリー / 微分方程式 / 差分方程式 |
研究概要 |
微分方程式のカロア理論は通常Picard-Vessiot(PV)理論と呼ばれる。この差分方程式アナログがvan dar Put,Singerによって与えられている。一方、研究分担者の竹内光弘は1989年の論文で、微分PV理論へのホップ代数アプローチを発表した。ホップガロア理論を基盤とするこのアプローチの利点は、(1) 体への微分作用をある条件を満たす余可換ホップ代数の作用に拡張したことで、正標数の高次微分作用に関する理論をも包括した点、(2) 代数群に替えより一般にアフィン群スキームを用いることで、代数閉体と限らぬ体上の議論を可能にした点にある。研究代表者は、分担者の天野勝利と共に、このアプローチを推し進めて、上記. (1) よりさらに一般に、群様元も含み得る余可換ホップ代数の上の「アルチン単純可群代数」なるコンテクストで、竹内の諸結果が成り立つことを示した。これにより、差分方程式のガロア理論も統一的に扱うことが可能になり、またvan der Putらのいくつかの結果をよりシャープな形にできた。本研究は、この「ホップ代数を用いた微分・差分統一Picard-Vessiot理論」を推し進めるものであって、今年度までに得られた結果を、天野、竹内との共著"Hopf-Algebraic Approach to the Picard-Vessiot Theory"(Hazewinkel編,Handbook of Algebra Vol.6," Elsevier に掲載予定)にまとめた。また、ホップガロア理論の別の応用として、量子包絡環のコサイクル変形による構成法を考案した。アイデアは極めて単純であって、知りたいホップ代数を、適当な分かりやすいホップ代数のコサイクル変形として捉えて(それは2つのホップ代数の上の、正規底をもつbitorsorを構成することに他ならない)、そこから知りたい情報を引き出そうというもの。これを、量子包絡環に対し実践し、応用として、三角分割や(一般化された)量子ダブル構成が、複雑な関係式を確かめることなく導けること、りー代数のコホモロジーに関するWhitehead Lemmaの量子版が成り立つことを証明した。これらの結果を2編"Abeian and non-abelian second cohomologies of the quantized enveloping algebras","Construction of quantized enveloping algebras by cocycle deformation"に纏めた。
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