研究課題/領域番号 |
18540131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大島 洋一 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20040404)
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研究分担者 |
内藤 幸一郎 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10164104)
金 大弘 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (50336202)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,710千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ディリクレ形式 / 時間的に一様でない拡散過程 / 時空領域 / 到達確率 / 再帰性 / 焼き鈍し / 時空拡散過程 / 過渡性 / ポアンカレ型不等式 |
研究概要 |
本研究の目的は、時間的に一様でない拡散過程の場合に、時間と共に変動する時空領域への到達の可能性及び到達した後の境界での挙動とその応用について解析することである。その解析のための第一段階として、時間的に一様な拡散過程の再帰性及び過渡性を解析的に特徴づける重みをつけた2乗積分とディリクレ形式の間の不等式及びポアンカレ型の不等式の拡張を行った。この結果を用いて焼き鈍しの理論の考察を言った。一般的には焼き鈍しの理論はコンパクトな多様体におけるブラウン運動に対してスペクトルギャップの評価を用いて議論されるが、我々の結果を用いてより一般の空間あるいは拡散過程に対して適用できる事を示した。 次に、時間的に変動する領域、特に時間と共に増大するコンパクトな領域からの脱出の可能性について検討した。これには、生成作用素の変化の早さと領域の変動の早さが関連してくる。これに関して、領域が時間的に増大する球面の場合に、拡散過程がその境界に到達出来るための拡散過程の係数の変動の大きさと球面の増大の大きさについての結果を得た。その結果をブラウン運動に適用すると球面の半径が時間の平方根より遅く増大すればブラウン運動は境界に到達できる事が分かった。逆に到達不可能性の問題として、増大する球面に到達するより、原点の近くに先に帰ってくるための球面の増大の大きさについても結果を得た。これらの結果は、時間的に一様でない拡散過程の時空領域への到達確率に関する一般的な特徴付けを与え、それを用いる事により得られた。この様な時空領域への到達確率の具体的な評価は新しい分野と考える。
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