研究概要 |
1.研究課題に直接関係した成果として, 多重線形特異積分および分数べき特異積分のLp及びLipschitz空間での有界性について既知の結果の明快な別証明と,そのことによる結果の拡張を得た論文1編(研究発表欄論文2),リトルウッド・ペーリー作用素の研究として,Marcinkiewicz積分作用素について,1点での有限性から殆どすべてでの有限性およびCampanato空間での有界性を示す殆ど最終的な結果を得た(研究発表欄論文1).また,曲面に関連した変数型Marcinkiewicz積分作用素について,新しい考え方の導入によりL2有界性について新事実を示した論文3編(研究発表欄論文3,12,13)を得た.さらに,リトルウッド・ペートー作用素の重み付き評価についても新事実を得た(研究発表欄論文14). 2.特異積分作用素の研究として Lpとlpのアマルガム空間及びlpでの特異積分作用素の有界性についてよい結果を得た(研究発表欄論文15).また変数型曲面に沿った特異積分について論じた結果として1編の論文を得た(研究発表欄論文11). 3.研究課題に関連したフーリエ掛け算作用素と擬微分作用素に対して3編の論文を得た(研究発表欄論文9,17,18). 4.ハーディ空間の研究について ヤコビ多項式の直交級数に対するハーディ空間での移植定理,実数直線の開区間上の重み付きハーディ空間に対してバークホルダー=ガンディ=シルバースタインの定理が成立するを示し,この面での将来への展開を示唆する3編の論文(研究発表欄論文4,5,16)を得た.また,ハーディ空間のアトム分解について,構成的な方法を新しく考案し,応用面での適用性を広げた(研究発表欄論文8). 5.研究課題に関連した関数空間の研究として, 一般化Morrey-Campanato空間の前双対空間が,一般化されたアトムを用いて定義できることを示したもので,Coifman and Weiss(1977)の結果を拡張するなど,関数空間の研究でも貢献できる結果を得た(研究発表欄論文6,10,19).
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