研究課題/領域番号 |
18540348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山田 耕作 立命館大学, 総合理工学研究機構, 研究員 (90013515)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,230千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 30千円)
2007年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 強相関電子系 / フェルミ液体 / 重い電子系 / 有機超伝導体 / 多バンドの超伝導 / 繰り込み理論 / 異方的超伝導 / 強相関 / 超伝導転移温度 / 4次摂動理論 / 自己エネルギー / 電子相関 / 有効質量 / 繰り込み因子 |
研究概要 |
研究課題である超伝導転移温度は次の2つの効果の競合で決まることが明らかになった。 1.フェルミ液体としての有効質量の繰り込みが準粒子バンドの幅を決定する 電子間のクーロン相互作用は準粒子の有効質量を増大させる。この増大は準粒子バンドの分散を縮小することによって起こる。この繰り込み因子zが系のエネルギースケールを決める。重い電子系では1000倍も有効質量が重くなり、準粒子バンドの幅は1/1000にもなり、10K程度になる。銅酸化物高温超伝導体では有効質量は10倍くらいになり、準粒子のバンド幅は1/10になり、1000Kくらいである。この準粒子バンドに超伝導ギャップができるので、準粒子バンドの幅、つまり有効質量増大因子の逆数である繰り込み因子zに比例してギャップや転移温度Tcが小さくなる。それゆえ、超伝導の転移温度やギャップの定量的な議論を行うためにはフェルミ液体論に基づいて有効質量を正しく求めることが不可欠である。この方法としては、相互作用の等方的な部分も効くので、相互作用Uに関する摂動計算が適している。4次までの計算で現実的な値が得られることが示された。 2.粒子間相互作用の運動量依存性が超伝導対の対称性と転移温度の大きさを決める 準粒子間の相互作用の等方的で一様な部分は符合の変わるpやdなどの異方的ギャップができるときは打ち消しあって働かないから、運動量に依存する相互作用が超伝導転移温度を決定する上で重要である。クーロン相互作用自体は短距離で運動量にあまり依存しなくてもフェルミ面近くの準粒子間の高次の相互作用によって運動量依存性を持つ。これはフェルミ面付近の電子構造に依るのであるがそれを計算することが重要な理論の使命である。このような異方的な相互作用が強い系は高い転移温度を持つことが明らかになった。
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