| 研究概要 |
本研究において下記のような成果を得た。
(1)Ce_xNd_<1-x>B_6では,CeとNdの結合が弱く,Ndが引き金となる高温側で起こる磁気秩序と低温側で起こるCe自身が引き金になる秩序が起こり,Ceが秩序化していない高温相では近藤状態が保たれていることが明らかになった。Ce_xNd_<1-x>B_6では,CeとPrの結合が強く,CeとPrが一体となって秩序相を形成することが明らかになった。
(2)Ce_<0.7>La_<0.3>B_6のIV相では共鳴X線散乱の結果から八極子秩序とされていたが,中性子散乱で超格子反射の観測に成功し,その|Q|依存性から八極子秩序が実現している可能性がさらに高くなった。
(3)Ce_xLa_<1-X>B_6(x=0.7,0.6)にNdを添加すると,x=0,7ではIV相が急速に抑制されわずかなNd添加により基底状態はIII相になるが,x=0.6ではIII相が安定化すると同時にIV相も高温側にシフトすることを見出した。これはIV相がNd添加により増強されているという予想外の結果であり,今後より詳しい研究を必要とする。
(4)PrB_6において圧力下でIC相の高温側に新しい秩序相が出現することを発見した。これは常圧では隠れていた相互作用が圧力下で大きくなり顔を出してきたことがわかった。
(5)CeB_6が圧力下で強磁性秩序を示すことを発見した。これはQ_<xy>-反強四極子秩序とT_<xyz>-反強八極子秩序の共存に由来する強磁性的相互作用によるもので,交換相互作用を必要としない強磁性秩序の出現の初めての例と思われる。
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