研究課題/領域番号 |
18540365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
福井 隆裕 茨城大学, 理学部, 教授 (10322009)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,650千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 量子スピンホール効果 / 格子計算 / Z2 トボロジ力ル不変量 / グラフェン / ビスマス / アンチモン / Z2トポロジカル不変量 / 量子ホール効果 / チャーン数 / 格子ゲージ理論 / エッジ状態 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、2次元系において観測量に現れるトポロジカル不変量を、数値計算のためメッシュに切ったブリユアン・ゾーン上で効率よく求めるための方法の開発と応用である。チャーン数の計算に関しては、18年度に大きな発展があったため、19年度はスピンホール効果を特徴付けると考えられている新しいタイプのトポロジカル不変量(Z2数と呼ばれている)の計算方法の開発を目標として研究を行った。この課題は、長期的な視野で達成する予定であったが、19年度に大きな進展が見られた。 18年度においては、グラフェンの量子ホール効果を研究を行った。全てのエネルギー領域でホール伝導度を計算し、ディラック的な素励起がファンホーベ異常の間に存在することを示した。 19年度にはスピンホール効果を起こす最も簡単なグラフェン模型に対して、我々の開発した方を適用して、実際に極めて正確にZ2数を計算できることを示した。これらの方法は他の研究者によっても用いられている。 次に、上の結果を現実的な3次元物質に応用した。すなわち、スピンホール効果の起こると思われているBi, Sbの薄膜について、上で開発した方法を適用して、詳細な計算を行った。これらの物質は、バルクな3次元では半金属であるため、直接はスピンホール効果は期待できない。しかし、薄膜にすると金属となり、この時にはSbにおいてスピンホール効果が期待されることが分かった。ただし、3次元の模型から、3次元方向への結合を弱くしていった簡単な模型に基づくため、より詳細な検討が必要となる
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