研究課題/領域番号 |
18540387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐々 成正 日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究員 (10360421)
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研究分担者 |
町田 昌彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (60360434)
坪田 誠 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10197759)
小山 富男 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30153696)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,750千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超流動乱流 / 液体ヘリウム / 量子渦糸 / グロスーピタエフスキー / コルモゴロフ則 / 自己相似構造 / 量子過糸 / 原子・分子物理 / 物性理論 / 計算物理 |
研究概要 |
本研究の主目的は,低温原子ガス・ボーズ-アインシュタイン凝縮体や超流動液体ヘリウムに現れる量子渦糸乱流状態に対し,詳細な数値シミュレーションを行ってその物性を明らかにすることである.特に今年度は,超流動液体ヘリウム中の量子渦糸乱流状態をグロス-ピタエフスキー方程式に対する大規模数値シミュレーションによって詳細に調べた。(i)減衰乱流に対応するシミュレーションにおいて、256^3メッシュから2048^3メッシュまでシステムサイズを変えた系統的数値実験を行い、乱流状態の統計的性質を明らかにした。特に、コルモゴロフ3/5乗則が成り立っていることと、慣性領域のシステムサイズ依存性を確認した。(ii)大規模数値計算により量子渦糸タングル状態が自己相似的構造を持つ事を明らかにした。これは、スケールが大きくなるにつれて量子乱流が古典乱流の性質に近づくことを意味する。(iii)充分に乱流が発達した状態において、量子渦糸によるボトルネック効果が現れ、エネルギースペクトルが大きく折れ曲がることを確認した。大スケールでは古典乱流に近づくが、単純に同じ振る舞いをするのではなく、観測可能で古典乱流とは異なる特徴があることを示唆している。本研究は量子乱流を現実的な状況で実現するための条件及び,結果の予測を示したものである.今後,本研究の結果が実験的に確認され,量子渦糸乱流状態に対する理解が深まることが十分に期待できる.
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