研究課題
基盤研究(C)
平成18年度に製作した、超低エネルギー電子ビーム生成装置を用いて、実際に超低エネルギー電子衝突実験をKEK-PF(高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光科学研究センター)での共同利用実験として行い、新たに開発した実験手法の検証を行った。平成18年度の開発で製作した、「しきい光電子」を電子源とする電子ビーム生成装置に電子衝突用セルを備え付け、透過減衰法による電子-原子・分子衝突全断面積測定を行った。低エネルギーから比較的高いエネルギー(16eV)まで電子ビームを制御できること、全断面積が正しく得られることについて、測定結果と既存のデータと比較することで確認した。この結果、低エネルギーから比較的高いエネルギー(16eV)まで、装置が動作することが確かめられた。さらに、これまで、その存在は明らかであったが、全断面積値が報告されていなかった、共鳴に起因する構造について、その断面積の測定に成功した。また、この共鳴による構造を利用して、生成した電子ビームのエネルギー分解能を見積もる手法を確立した。以上のことから、新しい手法による超低エネルギー電子ビーム生成法の確立に成功し、Cold Collision電子分光法の基礎技術の一つを確立した。また、本研究で開発した手法は、これまで、専有の放射光ビームラインを有する世界で唯一のグループでしか行えなかった実験を、より一般的な設備で行うことを可能とする技術である。
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Photon Factory Activity Report 2006 24-B
Photon Factory Activity Report 2006 #24 Part B
ページ: 284-284
http://www.chemistry.titech.ac.jp/~kouchi/index.html