研究課題
基盤研究(C)
ダーマトポンティンはヒラマキガイ(腹足綱有肺類)の主要貝殻タンパク質である。有肺類の計8種の外套膜(殻形成に関わる器官)からダーマトポンティン遺伝子を同定し、2つのタイプが存在することを明らかにした。各組織での発現を調べた結果、タイプ1のみが貝殻タンパク質であることが示唆された。系統解析を行った結果、祖先的有肺類はダーマトポンティンを1種類だけもっており、その後各系統で独立に遺伝子重複が起きたことが示唆された。RNAi法によりモノアラガイ(腹足綱有肺類)のダーマトポンティンの機能解析を行った。RNA発現は低下したが、貝殻の成長には変化が見られなかった。抗原抗体反応の結果、外套膜外液(貝殻が形成される場)中のダーマトポンティン(タンパク質)のは変化していなかった。従って、RNAの発現は低下しているが外套膜外液中のタンパク質は残存しているため、貝殼が正常に形成されたことが示唆された。アコヤガイ(二枚貝綱)の貝殻は、外層が炭酸カルシウムの多形の一つであるカルサイト、内層が別の多形であるアラゴナイトで出来ている。アコヤガイの外套膜(貝殻形成に関与する器官)からアスパラギン酸に富む超酸性タンパク質アスペインを同定し一次構造を決定した。発現解析により貝殻外層のカルサイト形成にアスペインが関与していることが示唆された。アスペイン断片を合成し、in vitroで結晶成長実験を行ったところ、アスペインが結晶多形の制御に関与していることが示唆された。メガイアワビの外套膜から2種類の炭酸脱水酵素を同定し、その1つが主要貝殻基質タンパク質であることを明らかにした。既に同定されている軟体動物の3つの炭酸脱水酵素と系統解析を行った結果、炭酸脱水酵素は二枚貝と巻貝で独立に貝殻貝殻基質タンパク質に使い回されたこと、特徴的な繰り返し配列も二枚貝と巻貝で独立に進化したことが示唆された。
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