研究課題/領域番号 |
18540470
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00253295)
|
研究分担者 |
小暮 敏博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50282728)
月村 勝宏 東京大学, 産業技術総合研究所, 主任研究員 (20357510)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,820千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 大気進化 / 酸化速度 / 風化 / モデル |
研究概要 |
カンブリア時代の大気中の酸素の濃度変化は、生命の進化のみでなく、海洋の進化など地球表層環境の変化に密接に関連する重要な地球科学的課題である。古土壌(当時の風化を受けた岩石)や硫黄同位体の物理的化学的解析から、具体的進化モデルが提唱されてきたが、真核生物の進化に直接関係した地球史上最初の酸素増加が起きたと考えられる約28から18億年前の酸素濃度変化は定量的な算出がなされてない。まず、酸素分圧がコントロールできるグローブボックスを用いて、風化系を模擬した開いた系で、オリビン溶銀実験を行い、溶出したFe(II)のうち、酸化されて系に残るFeと酸化されずに系から流出するFeの分配を求めた。酸化されて系に残るFeの割合は、0.92(0.2気圧)から酸素分圧が減少するとともに減少し、10^<-4>気圧で0.15になることがわかった。これは約25から20億年前の古土壌に残るFeの割合と類似し、当時の酸素上昇のパターンを再現している。さらに風化に伴うFeの挙動の理論的な考察から、風化帯中の溶存Fe(II)濃度に影響を与える主要なfactorである、i.Fe(II)含有一次鉱物の溶解速度、ii.Fe(II)の酸化速度、iii.地下水流速をモデル化および微分方程式化し、風化帯中のFe(III)/Fe(II)濃度比(φ)と大気酸素濃度(PO_2)の関係を定量的に導いた。パラメータの感度解析の結果、φとPO_2の関係に大きな影響を与えるのは、地下水流速、pHであり、鉱物の溶解、風化時間は大きな影響を与えないことがわかった。このモデルを古土壌に適用したところ、25から20億年前の間に、酸素は徐々に上昇したことが明らかになった。
|