研究課題/領域番号 |
18540476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安東 淳一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50291480)
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研究分担者 |
金川 久一 千葉大学, 理学部, 教授 (40185898)
富岡 尚敬 神戸大学, 理学部, 助教 (30335418)
井上 徹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (00291500)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,740千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 稍深発地震 / 蛇紋岩 / 塑性変形 / 固体圧式変形実験装置 / 転位クリープ / パイエルス機構 |
研究概要 |
蛇紋岩の安定領域および脱水反応が生じる温度と圧力条件において、塑性変形と脱水反応に起因する断層が蛇紋岩に形成しうるかという問題を明らかにする目的で、1)三波川変成帯中に露出するアンチゴライト蛇紋岩(試料A)と2)長崎変成岩中のアンチゴライト蛇紋岩(試料B)を出発物質とした変形実験を行った。変形実験には、広島大学とカリフォルニア大学リバーサイド校の固体圧式変形実験装置を用いた。その結果、試料Aを用いた実験においては、塑性変形と脱水反応に起因する断層が形成しうることが分かった。塑性変形に起因する場合はアンチゴライトの格子選択配向の形成による弱面の形成が重要な要因であり、脱水反応に起因する場合は細粒な脱水反応生成物が関連した弱面の形成が重要な要因となっている。一方、試料Bを用いた実験は、現在のところ、その安定領域内における実験しか行っていないが、塑性変形に起因する断層の形成は確認できなかった。試料Aと試料Bを構成するアンチゴライトは、その形態が大きく異なっている。前者は板状で後者は針状である。この形態的特長が、塑性変形の特徴と断層形成に影響を与えていると考えている。また、試料Bを用いた実験からは、1GPaと3GPaの封圧、300℃から700℃の温度領域にわたる塑性変形の力学データーを得ることができた。その結果から、流動応力の温度と封圧の依存性を定量的に理解できつつある。これらのデーターのうち非常に重要な結果は、流動応力の温度依存性が封圧の増加にともなって著しく大きくなる事である。これは変形のメカニズムが、低い封圧条件ではパイエルス機構であり、大きな封圧条件では転位クリープとなっている為と考えられる。今後この事を明らかにする為に、回収試料の微細組織を透過型電子顕微鏡によって観察する予定である。
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