研究課題/領域番号 |
18550045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
箕浦 真生 北里大学, 理学部, 准教授 (30274046)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,190千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | テルル / 超原子価化合物 / 結晶構造解析 / 典型元素 / アート錯体 / 超分子化学 / 超原子価 / NMR |
研究概要 |
5本の化学結合を一つの元素上に有するアニオン性化学種は、アート錯体と呼ばれ重要な反応中間体として知られているが、一般に不安定であり反応性や構造は未解明であった。研究代表者は中心元素にテルルを選び、これまで未知である超原子価有機テルルアニオン種R_5Te^-を合成単離し、その性質を明らかにすることを目的として研究を行った。その結果、初めての超原子価16族元素アニオン種として、Ph_5Te^-Li^+を合成し、低温下黄色結晶として単離し、その分子構造を低温結晶構造解析により明らかにすることに成功した。超原子価アニオン種はテルル中心で四角錐構造(擬オクタヘドラル)を有しており、これまでに観測された炭素-テルル結合のうちでもっとも長い値を示した。この超原子価化アニオン種には溶液中で速やかな解離平衡が存在するものの、-100℃では安定に存在することが明らかとなった。 テルル上の求電子試剤による官能基化を検討し、ヨウ化メチルやハロゲン等の求電子試薬との反応では、対応するオクタヘドラル構造を有する安定な中性6価有機テルル化合物群へ変換出来た。また上記研究課題の遂行途中で4-メトキシフェニル基を有するテトラアリールテルルが固体中で擬四角錐構造を有することを発見し、今後の研究の端緒も得た。 本研究で得られた新規な知見は、16族元素のみならず他の高周期元素アニオン種へも適応可能であり、アニオン性新規化合物群の合成と性質の理解へと拡張する上で意義深いものと考えている。
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