研究課題/領域番号 |
18550097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
畠中 康夫 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80344117)
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研究分担者 |
南 達哉 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70251931)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,120千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 不斉ディールス・アルダー反応 / キラルケイ素ルイス酸 / エナンチオ選択的ケイ素触媒 / カチオン性ケイ素化合物 / 有機化学 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス / ケイ素触媒 / シリルカチオン |
研究概要 |
(R)-BINOL配位子と種々のアリルクロロシランを反応させることにより、触媒前駆体であるキラルなアリルシランを合成した。これらの光学活性アリルシランに超強酸であるトリフルオロメタンスルホニルアミド(HNTf_2)を作用させることで、強いルイス酸性を有するエナンチオ選択的ルイス酸触媒であるケイ素ルイス酸触媒を合成した。cyclopentadieneと3-acryloyloxazolidin-2-oneとのDiels-Alder反応において、生成物の絶対配置及び鏡像体過剰率体はBINOL配位子およびケイ素上の置換基に大きく影響されることが分かった。BINOL配位子の6,6'位の置換基効果、3,3'位の置換基効果、ケイ素上の置換基効果を明らかにした。さらに、(R)-BINOL配位子の3,3'位に置換基を導入すると、エナンチオ選択性が逆転するという興味深い現象を見出した。さらに、(R)-BINOLの3,3'位の置換基をより嵩高くするにつれてエナンチオ選択性が向上し、4-(2-naphthyl)phenyl基を導入した場合では、ケイ素触媒量が2.5mol%という微量触媒量にも関わらず、鏡像体過剰率94%ee、ジアステレオ選択性96/4、収率92%という極めて高い立体選択性でDiels-Alder付加体を与えることを見出した。 また、鎖状ジエンのDiels-Alder反応において、塩基を添加せずに反応を行うと円滑に反応が進行することが分かった。すなわち、塩基を添加せずに、ケイ素触媒を5mol%もちいてトランス-1,3-ペンタジエンとアクリロイルオキサゾリジノンとの反応を行ったところ、88%eの高いエナンチオ選択性を伴って対応する環化付加体を得た。本研究は高配位構造をとるケイ素化合物が不斉ルイス酸触媒として、実用レベルに達する高いエナンチ選択性およびジアステレオ選択性を示すことを始めて明らかにしたものである。この結果を検証するにあたり、Diels-Alder反応をテスト反応とした。今後、より多様な不斉触媒反応にケイ素ルイス酸を適用し、ケイ素ルイス酸の実用性を立証する
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