研究課題/領域番号 |
18550135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
高澤 健 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, 主幹研究員 (10354317)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 有機色素 / 自己組織化 / 分子ファイバー / 光導波路 / 超分子 / ナノ材料 / 光物性 |
研究概要 |
光回路は電気回路を超える高速化・高集積化が可能なため、高性能マイクロプロセッサなどへの応用が期待されている。光集積回路の実現には、光信号をナノからミクロンの領域で伝播・操作する光配線(光導波路)の開発が不可欠である。我々は、有機色素分子(チアシアニン)を水溶液中で自己組織化させ、ナノサイズの太さを持った分子ファイバーを合成することに成功した。この分子ファイバーは、光で励起すると自身のルミネッセンスをファイバーに沿って250μm以上高効率で伝播する。また有機物の自己組織化構造体であるため構造的な柔軟性が高く、サブから数ミクロンの曲率半径で鋭く曲げることができる。 新規に開発した顕微分光技術を用いて分子ファイバーの光伝播特性を詳細に調べ、直線状や鋭く曲がった分子ファイバーの光伝播効率を定量的に測定した。その結果、この分子ファイバーは曲げによる伝播光の欠損が非常に小さく、微小領域での光配線として優れた機能を持っていることが明らかになった。また、自己組織化条件を変えることで、分子ファイバーの形状を制御することを試みた。長いアルキル鎖を導入したチアシアニン分子のクロロホルム溶液をガラス基板上に滴下して、高湿度下で溶媒を蒸発させたところ、直径数〜数十ミクロンのリング状分子会合体を合成することに成功した。顕微分光技術を用いてリングの光学特性を調べたところ、光励起で生じた蛍光がリングに沿って伝播することを見出した。 以上の研究から、チアシアニン色素の自己組織化分子ファイバーは微小領域での光操作デバイスとして非常に有望であることが明らかになった。
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