研究課題/領域番号 |
18560013
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
細田 誠 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80326248)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,810千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 半導体超格子 / 量子井戸 / 電界ドメイン / 非対称多重量子井戸 / 電流発振 / 半導超格子 / 非線形ダイナミクス / 多重有限長超格子 |
研究概要 |
半導体超格子における電界ドメインの形成ダイナミクスに関し研究を行い、以下の成果を得た。 1.多重周期有限長超格子における電界ドメイン形成に関し、実験的に電界ドメインの発生を観測し、通常の単純な構造の超格子におけるサブバンド問共鳴に起因する電界ドメイン発生とは異なる機構でドメインが発生していることを発見した。さらに、ドメイン境界の1周期ごとの移動を初めて実験的にPL測定結果より証明した。これらの電界ドメインの発生機構はそのモデルとしてFowler-Nordheim tunnelingを仮定し、かつ実験を行った際の実際的なパラメーター値を用いて発生ダイナミクスをシミュレーションした結果、実験結果と非常によく一致するドメイン発生現象を再現できた。これにより、新規なドメイン発生機構を裏付け、ドメイン発生の形成時間が数百ナノ秒であることを明らかにした。 2.非対称多重量子井戸超格子における電界ドメインの発生と電流発振現象を研究し、通常の一様な構造の超格子とは異なる機構の電界ドメイン発生を発見した。また、非常に薄いバリアで隔てられた非対称多重量子井戸構造を持つために、これまでは観測されていなかったホールの空間的問接遷移がPLで明瞭に観測できることも示した。さらに、薄いバリアを浸みだした電子波動関数による共鳴によって離れた距離間でサブバンド間共鳴が起こることが電界ドメイン発生の起因であることを見いだした。このような構造の超格子でもドメインの不安定性に起因する電流発振が数百MHZの高周波で発生し、素子設計の範囲を拡大できることを示した。 3、電界ドメイン形成に寄与すると思われる高位エネルギー・サブバンド準位に関する研究も行った。
|