研究課題/領域番号 |
18560016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
山口 栄雄 神奈川大学, 工学部, 教授 (20343634)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | インジウムアンチモン / 熱電変換 / インジウムヒ素アンチモン / 超格子 / 熱伝導率 / 熱起電力 / インジウムヒ素 |
研究概要 |
化合物半導体をベースにした、熱電材料としては新しい材料を使用する。具体的には、インジウムアンチモンとインジウムヒ素を基盤材料とし、混晶化による熱伝導率の低減、界面を制御した超格子構造導入による熱伝導率の低減および出力因子の増大を目指す。超格子構造の作製には極めて精細な制御が要求され、以下の目標を目的とした。 1)ミクロスコピック構造制御による熱伝導率の低減 2)ミクロスコピック制御による熱起電力の増大と電気抵抗率の低減 ・インジウムヒ素アンチモン混晶半導体の作製、 ・歪超格子構造の導入、 ・格子整合系超格子の導入 H19年度の研究では、前年度の成果、すなわち、インジウムヒ素をバッファ層を用いることにより高品質化させた、サファイア基板上インジウムアンチモン薄膜の作製を用い、熱電特性の評価を実施した。 格子定数の関係からサファイア基板上ではInSb薄膜へ働く応力は引っ張り応力となると考えられるが、InAsバッファ層を用いた場合、InSb薄膜はInAsバッファ層から圧縮応力を受けることがわかった。さらに、InAsバッファ層を薄くしていくに従い、InSb層に働く応力を低減できることがわかった。これは、InAsバッファ層が薄くなるほどバッファ層自体がサファイア基板から強く引っ張られ、よりInSbの格子定数に近くなるためであると考えられる。しかし、InAsバッファ層を成長限界まで薄くしても、InSb薄膜に働く圧縮応力を無くすことはできなかった。そこで、InAsよりも格子定数の大きな材料をバッファ層に用いることで、よりInSb薄膜に加わる応力及び歪みを低減できると考えた。 この実験の実施により、界面の残留応力を減少させる目的でインジウムヒ素アンチモンの三元混晶をバッファ層に用いた。InSb(111)面に対するXRDロッキングカーブの半値幅の膜厚依存性、および、室温におけるInSbの電子移動度の膜厚依存性を評価した。バッファ層にInAsを用いた時に比べてInAsSbを用いて作製した試料の方がすべての膜厚時において、優れた特性を示した。
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