研究課題/領域番号 |
18560027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
木本 浩司 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主席研究員 (90354399)
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研究分担者 |
松井 良夫 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, グループリーダー (80354398)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 透過電子顕微鏡 / 収差 / 対物レンズ / 高空間分解能 / 走査透過電子顕微鏡 / 収差補正 / 電子回折 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
電子顕微鏡は近年の最先端材料評価技術として欠くことのできないツールとなっている。電子顕微鏡の最大の利点はその高い空間分解能であり、その空間分解能を実現するために最も重要なのが収差の制御である。収差には、焦点・コマ収差・2回非点収差・球面収差・3回非点収差・など無限のパラメーターがあり、低次の収差を最適にすることで、初めて所望の空間分解能が実現される。最近国内外で研究が進められている球面収差補正装置においては、収差を補正するだけではなく、如何に残存収差を検出してフィードバックをかけるかが重要であり、その分野で現在も研究が進められている。 本研究では、試料でブラッグ回折を起こさせて、その回折波による画像を解析するという着眼点で収差の計測を試みた。従来の方法が収差を検出するために電子線を意図的に傾斜させる(例えばZemlin tableau)のに対し、本研究では試料を電子スプリッターとして用い、ブラッグ回折した回折波を、傾斜入射の電子として利用する。本研究では、従来のTEM用の軸調整方法に加え、STEM用の新たな軸調整の方法を考案し、特許出願2件という直接的な成果を得た。収差の計測のためには計測中の収差が不変である必要があり、装置の安定度向上なども行った。さらに、収差補正手法を使った材料評価の応用研究で、論文3報・解説1報の成果を得た。研究の核となる収差計測の手順は既設の装置で利用可能であり、本研究の結果STEMや電子エネルギー損失分光法を用いた応用研究のためのツールとして利用できるようになった。
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