研究概要 |
デジタル画像相関法に対して2次元デジタル画像相関法の高速化よらびに高精度化を行った.高速化の手法としては主として高速フーリエ変換法の利用を計った.これにより粗探索時間を1/1000程度まで短縮させた.一方、高精度化についてはFFT処理による2重探索により同一点探索の判定ミスを避ける工夫を施すとともに,サブピクセル単位までの計測に対しては、デジタル画像の曲線補間法ならびに特異ひずみ場表現を導入することにより、精度向上・高速化を可能とした. 一方切欠底のひずみ計測に対応するべくデジタル画像相関法による多軸ひずみ計測手法の開発を行った.多軸ひずみ計測では計測対象に対して左右に配置したカメラによるステレオ観察手法の開発を行った.この際、左右カメラ画像における同一視点の同定ならびに変形前画像における任意視点の変形後画像内における移動先同定といった処理が必要になるが、この探索手法には基本的には2次元デジタル画像相関法の改良で対応させた.開発した多軸ひずみ計測手法で得られる微小変形量やひずみ量の精度検定を行ったが,1/1000mmオーダーまでの計測が可能であることを確認した. 続いて3mm厚の超高張力鋼2種類について応力集中率2から5までの切欠材を作成し、切欠底の多軸ひずみ分布を計測した.疲労試験によりき裂発生寿命を求めると共にこの材料の切欠感受性を評価した.本研究で得られた疲労試験結果は菊川のK/c-N曲線のほぼ破断確率の範囲内に収まり,停留き裂の発生条件を満たしていなければ,K/c-N曲線による深く鋭い切欠きを持つ切欠材のS-Nデータの整理は,切欠き付き丸棒の回転曲げ疲労試験だけでなく,切欠き付き板状試験片の引張圧縮疲労試験に対しても有効であることがわかった.
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