研究概要 |
1.セラミックスの高精度三次元加工技術の確立 3次元レーザー加工機DMG LASERTECH 40 SIにより、ジルコニアセラミックス(ZrO_2)を用いた金型の彫り込みを行い、その表面加工能力の検定を行った。加工は等高線加工とし、スライス量は1〜5μm(平均2μm)/回で、送り速度は200mm/secで行った。半球状の形状加工の結果、球に直角方向で表面粗さ(1.5〜2.0Rz)の結果を得た。ハイブリッド金型を使用する場合、転写性が良いことから表面粗さはRz:0.1μ以下程度が要求されるが、本レーザー加工機の能力では0.5Rzが限界であり、最終仕上げ加工には研磨加工が必要であり、セラミックス金型には最終研磨仕上げが必要であることが明らかとなった。 2,セラミック表面の高精度仕上げ研磨技術の確立 直径30mm、厚み1mmの金型(SKD11、ジルコニアセラミックス)を製作し、最終研磨研磨には本金型専用の塩化ビニール樹脂製の半円研磨具を用いてで、条件:200rpm,荷重3kg,加工時間total30分,ダイヤモンド砥粒2-6ミクロン,濃度1wt%で研磨した後、成形試験を行った。成形材料は熱可塑性樹脂のPS(ポリスチロール)、PC(ポリカーボネート、ガラス20%)の3種類を用いた。成形数は金属金型で3種類の材料でそれぞれ1,000個の3,000個、セラミックス金型で3種類の材料でそれぞれ1,000個の3,000個で行った。成形評価は、成形温度、成形圧力、引け、表面形状、寸法精度について行った。セラミックス金型による成形はいずれの材料においても、推奨成形温度より低温での成形が可能であると同時に、成形精度も優れていることがわかった。金型摩耗、耐久性については成形個数が少ないため評価は今後継続して確認する. 3.CAE解析による成型条件・金型設計の最適化 セラミックス金型・金属金型の表面摩擦および熱伝導性の違いによる成型状態の違いを,セラミックス金型(キャビ・コア),金属金型(キャビ・コア)の組み合わせにより解析を実施しその影響について検討し、セラミックス金型の流動性に対する優位性が認められた.
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