研究概要 |
電界砥粒制御技術を用いた新たな精密加工技術を提案開発している。 本研究開発では、用いる潤滑剤(絶縁油)が有する誘電率に着目して、(1)得られるクーロン力によって潤滑剤を工具に保持し,その飛散性を抑制する.(2)工具の摩耗を抑制し,工具の長寿命化,(2)低周波交流電界を潤滑剤に与えて、工具の刃先に潤滑剤を配置制御させることで被削材の加工後の表面粗さを抑制する.すなわち,被加工物の加工品位向上,を充足する加工法の基礎的な知見を得る. 目的:本研究では合理的に環境配慮した加工法を確立し工具の耐摩耗性向上と,良好な加工仕上がり面が得られる加工技術を得ること.その概要を以下に示す (1)電界を供給する見かけ上の電極を工具とした。工具回転は電界が供給可能なエアースピンドルを用い,工具の位置決めはサブミクロン精度を有するステージを配置し、距離は砥粒の平均粒径長とした.(2)工具の形状は直径1.0mmの超硬合金(WC製)とした.他方,電極は工作物の下に配置した.工具の配置は工作物面が最短距離になるよう,エアースピンドルは回転テーブルで工作物に対して傾斜角度をもたせ配置させた. (研究成果) (1)得られた実験装置にて,加工実験を実施した結果の概要を以下に示す. 高粘度のシリコンオイルを工具刃先に塗布し,工具に電界を与えて,高速回転を供した.ここでオイルが飛散せずに留まる様子を確認した.電界を与えて加工することで被加工面の性状は良好となり無電界状態とでは大きく性状が異なることも確認した,これにより電界を与えることで,工具刃先に選択的に潤滑材が供給され良好な被加工面が得られ,飛散する潤滑の抑制され,環境に配慮した加工技術の新たな知見を得た. (2)また潤滑材を用いるため高速加工も可能である。(5mm/10sec)
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