研究概要 |
レーザーを固体表面(金属表面)に照射したときに,固体がレーザーの光エネルギーによって誘起され,プラズマを発生し,その結果,プラズマにより周囲の気体に衝撃波が形成される.本研究は,この衝撃波を有効に活用するための研究を行ったものである.レーザーの集光によって発生する衝撃波の実験計測を行った。衝撃波は、種々の金属板にレーザーを照射することで発生させた。金属板には、アルミ、ステンレス、真鍮、チタンを用いた。レーザーの照射強度は、平成18年度が比較的大きなエネルギー強度で実施したのに対して,平成19年度は,衝撃波発生が確認される限界近傍での実験を行った。この強度のもとに、衝撃波か発生する様子を、1mm×1mm程度の観察領域においてシャドウグラフ法およびBOS法により光学的に観察し、衝撃波のマッハ数の時間的な変化を求めた。衝撃波の計測は,20ns毎の衝撃波の位置を求めた.この場合の計測範囲は数10μmの単位での計測となり,困難を極めたが,多くの実験遂行によって,信頼できるデータが取得された,得られた衝撃波の位置データを時間の関数として,その次数を求めたところ球面波と平面波の伝播特性の間に位置し,かなり,球面波の伝播特性に近いことが判明した.衝撃波発生直後のマッハ数はかなりの高速で,マッハ数では15程度のものが得られることが示された.衝撃波のマッハ数は、金属物性に対する依存性を示さず,当初の予測に反した結果が得られた.これらに関して,今回は十分な解明がなされず,今後の課題として残された.
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