| 研究概要 |
1.種々の寸法パラメータを変化させてエアサクションガンを試作し,糸吸引力と空気消費量の測定を行った。その結果,糸吸引力を空気消費量で除した糸吸引効率はノズル空気流入角とラバル管狭まり角に大きく依存するが,ノズル流路拡大角やラバル管のど部内径,糸推進管長さにはほとんど依存しないことなど,糸吸引力や空気消費量に及ぼすエアサクションガン寸法の影響が明らかになった。
2.無色透明なアクリル製のエアサクションガンを製作し,エアサクションガン内の糸姿勢の撮影とその定量解析を試みた。その結果,ノズル空気流入角やラバル管のど部内径は糸姿勢の直径とピッチに影響を及ぼすが,ラバル管狭まり角は糸姿勢の直径とピッチに大きく影響しないことなど,糸姿勢に及ぼすエアサクションガン寸法の影響が明らかになった。
3.エアサクションガン内空気流について,ここまで得られた成果を参考にして計算モデルを構築し,計算機シミュレーションを行った。その結果,糸吸入管から吸引された空気はラバル管と直管内をらせん形の流線を描きながら流れ,エアサクションガン内の空気流は管壁付近で大きく,糸吸引力に影響を与えるのは管壁付近の空気の流れであることが推察されること,などがわかり,エアサクションガン内における全体的な空気流の状態が明らかとなった。
4.上記3の計算結果を基に最適と思われるエアサクションガン寸法を選定し,ハイスピードカメラを用いてエアサクションガン内の糸姿勢の経時変化を検討した。その結果,供給空気圧力が高くなると,らせん状に運動するエアサクションガン内の糸運動の軌跡の振動数が減少し,エアサクションガン内での糸の滞留時間が短くなること,などがわかった。
5.以上の成果を総合的に考察した結果,流体力学的見地から省エネルギ・高性能エアサクションガンを設計するための指針をまとめた。
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