| 研究概要 |
本研究は,ジェット噴射ノズルの最適設計を行うために,高速度キャビテーション流れの実用的なCFD解法を開発することを目的として計画されたもので,圧縮性混合流気泡キャビテーションモデル解法を確立し,高速度水中ウォータージェットによく使われているオリフィスノズルとベンチューリノズルにおけるキャビテーション流れの数値解析を検討した.以下に主な内容を記す.
(1)キャビテーション流れを低圧縮性の液体と高速で膨張・収縮するキャビテーション気泡の混合流と見なして圧縮性混合流気泡キャビテーションモデルを提案し,その定式化を行った.
(2)提案された圧縮性混合流気泡キャビテーションモデルをオリフィスノズルにおけるキャビテーション流れに適用し,実験結果との比較により数値計算の妥当性を検証した.キャビテーション数の増加に伴ってキャビテーションが激しくなり,キャビテーション気泡の収縮・膨張による圧力上昇は,作動圧力の数倍に達し,提案されたモデルでキャビテーション衝撃圧力を評価する可能性が実証された.
(3)高速度水中ウォータージェットによく使われているベンチューリノズルの噴流特性に着目し,物体適合座標系で複雑領域におけるキャビテーション流れの計算コードを開発し,ベンチューリノズルにおけるキャビテーション流れのシミュレーションを行った.キャビテーション気泡の影響で局所圧力の変動は激しくなり,流量係数の低減が確認された.
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