研究概要 |
壁面衝突を利用して液膜を生成することは,自由噴流にないして大きな微粒化促進効果を持つことがわかった.そこでは,ノズル直径もまた制御パラメータとなり,わずかに影響すること,得られる最小平均粒径は17μmになること,壁面衝突のメリットは噴射圧力の低下とともに増大し,0.5MPaのとき,自由噴流が700μmにたいして壁面衝突では45μmと約1/16にも達することなどがわかった.これに当初,マイクロアレイノズルの相乗効果,PZT素子壁面の効果を新たに調査する予定であったが,いずれも大きな促進効果をもたないことがわかった.一方,ジェットエンジン燃料噴射弁への応用として,実機への適用を想定し,実用バーナに近い条件を実現するために,大流量マルチプランジャポンプを使用し,レーザ光散乱法によって噴霧の分散を評価する手法を開発した.噴霧粒径計測および噴霧断面像撮影を行い,微粒化過程および噴霧内燃料濃度について検討を行った.その結果,平均粒径は空気流速に依存せず,液体噴流速度の増大とともに直線的に減少しやがて一定となり,最小において17μm程度であること,噴霧内の平均燃料濃度は,燃料噴射弁から供給される空気および供試液体の質量流量の変化に応じて,おおむね直線的に変化することなどが明らかとなった.その結果,噴霧の分散と微粒化程度を同時に明らかにすることができるとともに,このように,実用化のための重要な指針を得ることができた.さらに,微小粒径計測の必要性から,液体窒素とプローブ,およびデジタルマイクロスコープを利用した凍結法の開発を行った.
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