研究概要 |
層流燃焼速度が異なる,あるいは,燃料濃度によるマークスタイン数の変化の特性が異なるなど,さまざまな異なる燃焼特性を有する燃料を対象とし,高圧下の雰囲気にも適用可能なユニバーサルな乱流燃焼モデルを構築するために,平成18年度の水素,メタンおよびプロパンの気体燃料,平成19年度に液体燃料であるイソオクタンについて,燃焼実験を行った.これにより層流燃焼速度,マークスタイン数,乱流燃焼速度を得た. 乱流火炎においては,乱れによる火炎伸長により熱一拡散効果が現れ,局所の燃焼速度が変化していることが明らかとなった.そのため,水素およびメタンは希薄時に,プロパンおよびイソオクタンでは過濃時にマークスタイン数が小さくなるが,これらの条件において乱流燃焼速度が増大することが明らかとなった.さらに,いずれの燃料,燃料濃度においても,圧力が高くなるにつれて乱流燃焼速度が増大することが明らかとなった. 以上の結果より,乱流燃焼速度と火炎伸長を受けていないときの層流燃焼速度の比が,乱流レイノルズ数,乱れ強さと層流燃焼速度の比,および,マークスタイン数に依存するが,このうちの乱流レイノルズ数とマークスタイン数を,乱流レイノルズ数とルイス数を組み合わせたひとつのパラメーターに簡略化できることを明らかにした.したがって,これらのパラメーターにより,多様な燃料について燃焼のモデル化可能であることが明らかとなった. そして,いかなる条件においても,混合気圧力は重要なパラメーターであることから,圧力の変化を考慮したレイノルズ数,あるいは,カルロビッツ数と,マークスタイン数による乱流燃焼モデルの構築を行った.そして,火炎伝播中の燃焼速度の変化のモデルを得た.
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