研究課題/領域番号 |
18560207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
木下 英二 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (40274857)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,820千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 120千円)
2007年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 熱工学 / 再生可能エネルギー / バイオマス / 地球温暖化ガス排出削減 / ディーゼル燃料 |
研究概要 |
EU規格の燃料性状に適合または準じるココナッツ油メチルエステル(CME)をアルカリ触媒法により製造するためのエステル反応条件について検討した。EU規格を満たす反応条件はKOH量をココナッツ油に対し約1.2質量%、メタノールを理論量の1.8〜2倍、反応温度を60℃、反応時間を1時間である.製造したCMEはなたね油メチルエステル(RME)やパーム油メチルエステル(PME)に比べ動粘度が低く、軽油に近い値であり、蒸留性状も良好である。また、CMEに流動点降下剤の適用を試みたが、流動点(-5℃)はほとんど変わらなかった。次に、CMEを直噴式ディーゼル機関に適用して燃焼実験を行い、RME、PMEおよびJIS2号軽油と比較検討した。結果として、CMEの燃料噴射時期および着火遅れは軽油とほぼ同じであり、CMEの正味熱効率は他の供試燃料とほぼ同じで、CMEの排ガス濃度は他の供試燃料より低減され、全負荷のSmoke濃度は軽油に比べ約50%低減した。次に、実用的な観点からCME20%混合軽油(CME-B20:軽油にCMEを20体積%混合)も実験を行い、CME-B20の流動点は-125℃で、軽油と同じ値となり、CME-B20の排ガス中のCO、HCおよびSmoke濃度は軽油より低減された。 次に、CMEによる連続50時間運転を行いった結果、50時間後のCMEのカーボン堆積はヘッド側およびピストン側ともに軽油より約60%増加し、CMEの潤滑油の全酸価(劣化の指標)は軽油とほぼ同じになった。さらに、CME-B20についても同様の実験を行った結果、50時間後のCME-B20のカーボン堆積はCMEより若干低い値となった。CMEのカーボン堆積については、生成メカニズムを含め、更に検討を要する。 以上の結果より、EU規格に適合または準じるCMEはディーゼル燃料として有望であることが分かった。
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