研究概要 |
超多自由度ロボットが冗長自由度を活用しつつ所望の出力軌道を獲得できる誤差履歴線形話学習制御を確立するために,副目的運動の設定および最適初期姿勢を獲得する手法,将来のタスクに対応する器用さを実現する最適運動制御,弾性要素を付与した冗長機構の柔軟性制御を提案し,運動制御シミュレーションと実験検証を行った.得られた成果は以下のとおりである. (1)主目的運動として手先の目標軌道への追従,副目的運動として障害物回避速度ベクトルを「渦場の障害物回避速度」および「主目的運動の達成支援する速度」として与える設定手法を定式化した. (2)学習制御により収束解を得た後,その最終姿勢を初期姿勢として,目標軌道を逆に辿る学習を反復して行い最終的に最適な初期姿勢を得る後退学習を提案し,その有用性を示した. (3)ロボットの各関節の運動のヤコビ行列の列ベクトルに基づいて,「目標運動の達成支援性」,「各関節の運動可能性」の評価指標を定式化して目的関数とし,目標運動を達成しつつ将来のタスクへの対応性を確保できる機構姿勢を求める最適運動制御則を構築し,多自由度平面直列マニピュレータが障害物を回避しつつ軌道生成する運動制御を実現した. (4)受動関節にねじりコイルばねを付与した平面1ループ冗長マニピュレータについて,その器用さと剛性分布の制御則に基づき,誤差履歴線形和学習制御則を用いて,ロボットの出力節が所望の位置決めを行いつつ,指定した剛性分布を生じさせる運動制御手法を定式化した. 以上の結果,誤差履歴線形和学習制御によって超多自由度ロボットの冗長自由度を活用した運動制御が可能なことを明らかにした.
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