研究課題/領域番号 |
18560249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
土谷 茂樹 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30283956)
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研究分担者 |
三輪 昌史 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (40283957)
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研究協力者 |
安積 欣志 独立行政法人産業技術総合研究所関西センター, セルエンジニアリング研究部門, 人工細胞研究グループ長
菊地 邦友 和歌山大学, 大学院・システム工学研究科博士後期課程2年
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 600千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 可変焦点レンズ / 液体レンズ / アクチュエータ / ソフトアクチュエータ / イオン導電性高分子金属接合体 / イオン導電性高分子 / IPMC |
研究概要 |
ソフトアクチュエータの一種であるイオン導電性高分子アクチュエータ(IPMC)が柔軟性とアクチュエータ機能を兼ね備えることに着目し、IPMCを用い小型、柔軟で低電圧(数V以下)動作可能な可変焦点レンズを開発することを目的とした。透明で柔軟な容器に液体を封入し、IPMCの加圧力でその形状を変化させ、焦点距離の変化を得る「液体レンズ」式の可変焦点レンズを試作した。容器をイオン導電性高分子で形成し、その一部にアクチュエータ機能を付与することで小型化を図るため、同高分子膜の一部に駆動電極を形成してIPMC化するため「パターン電極形成技術」を開発した。電極のパターン精度は約10mであった。可変焦点レンズを始め様々な用途への応用が可能な空気中動作可能なIPMCの実現を目指し、イオン液体を溶媒とするIPMCを作製し、空気中での長時間(180分)の安定動作を確認した。イオン液体を溶媒とするIPMCでは屈曲は対イオンの移動に支配され、その動作をモデル化するにはIPMCの等価回路決定がポイントであることが分かった。IPMCの交流インピーダンス測定及びIPMCを流れる電流のステップ電圧応答から、約0.1Hz以上の周波数では、IPMCの等価回路は膜抵抗と電気二重層容量の直列回路と膜容量との並列回路で表されることが分かった。イオン液体を溶媒とするIPMCは空気中動作が可能であるが、その動作が周囲の湿度の影響を受けた。上記等価回路における膜抵抗Rは湿度増加に対し指数関数的に減少し、電気二重層容量Cは湿度と共に増加すること、またステップ電圧印加時の変位及び電流の応答の時定数=RCは湿度と共に減少することが分かった。PDMS(Polydimethylsiloxane)の成型により、上部に薄膜状(設計値50m厚)の瞳(直径6mm)を持つ円筒状の容器(φ20×18mm)を作製し、その内部に液体(水)を封入して外部からIPMCで加圧することで瞳部のPDMS膜を撓ませ焦点距離を変化させる構造の可変焦点レンズを試作した。IPMCの動作により瞳の中心で73mの変位を得た。片面に厚み100mのPDMS膜をスピンコートしたシリコン基板を裏面からエッチングにより円形貫通孔(直径4mm)を形成して瞳部を作製し、これと樹脂(アクリル)製の透明容器とを接着して密閉容器を作製し、内部に液体(水)を封入した。シリコン基板を上部からIPMCで加圧して瞳部のPDMS膜に水圧を印加してレンズ状に変形させるタイプの可変焦点レンズを作製し、IPMCの動作により瞳中心で20mの変位が得られた。
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