研究概要 |
DNGマテリアルを用いて不要電磁波を軽減させるには,DNGマテリアルの電気的・磁気的特性を如何に制御できるかということと,DNGマテリアルを何処に設置するかに依存する.そのため,前年度に引き続きシミュレーションと実験によりそれらの解明にあたった.以上の検討を通じて,理論的検討では,DNGスラブに対するダイアディックグリーン関数を導出し,DNGスラブに対する解析の基本原理を与えた.また,DNG媒質の計算機シミュレーションを効率よく行うために,周期構造に対するFDTD法を確立した.一方,損失を有するDNG媒質を化学的に合成するのは困難であったため,通常の損失性媒質表面に正方形導体を周期的に配置する構造(EBG構造)を用いて入射電磁界を効率よく吸収させる電波吸収体の検討を行った.その結果,従来予想されていたよりも広帯域で高効率な小形吸収体ができることが分かった.しかしながら,実用化のためには更なる小形化が必要であることも明らかとなった.以上の研究において研究代表者は,研究全体を統括すると共に,DNGマテリアル構造の電気的・磁気的特性の理論的考察を行い,不要電磁波低減に適した構造の提案を行った.この提案を元に研究分担者は電気的・磁気的特性の評価をシミュレーションによって解析した.さらに研究分担者はシミュレーションで得られた結果の妥当性を検証するとともに,それらの結果を研究代表者の理論的検討にフィードバックした.
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