研究概要 |
本研究の目的は,ダイオードクランプ形線形増幅回路の動作原理を応用した太陽光発電用ソーラーパワーコンディショナを開発することにある。ダイオードクランプ形線形増幅回路は,研究代表者が提案した回路方式であり,複数のパワーデバイスを直列接続した新しい線形増幅回路であり,スイッチングリプルやEMIをまったく発生することなく,約95%の高効率な電力変換が実現できる。したがって,ダイオードクランプ形線形増幅回路をソーラーパワーコンディショナへ応用することにより,交流フィルタを用いる必要がなく,システムの小型・軽量化と低コスト化を実現できる。本研究課題では,ダイオードクランプ形線形増幅回路を応用したソーラーパワーコンディショナを開発するために,ダイオードクランプ形線形増幅回路による電流制御法を確立し,系統連系時の動作特性を実験により確認する。 まず,12直列ダイオードクランプ形線形増幅回路をフルブリッジ構成とし,単相200V,2kW,ソーラーパワーコンディショナを構築し,電流制御法と電圧制御法を適用した12直列ダイオードクランプ形線形増幅回路を併用して構成した。その結果,交流インダクタやフィルタ等を全く用いることなく電流制御が可能であることを確認した。また,電流ひずみ率2%の優れた電流制御特性と変換効率90%の高効率を確認した。さらに,三相ブリッジ構成を採用した2kWソーラーパワーコンディショナを構築し,95%の高効率動作を実験により確認した。
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