研究課題/領域番号 |
18560288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
花岡 良一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90148148)
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研究分担者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
深見 正 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60247434)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,940千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 変成菜種エステル油 / HFC134aガス / 電気絶縁特性 / EHDポンピング / 液体ジェット / 同軸円錐電極 / 純伝導ポンピングメカニズム / HFC43-10 / HFCガス / 同軸円錐型電極系 / 変性菜種エステル油 / 変性シリコーン油 / 沿面放電特性 / 標準雷インパルス電圧 / 交流絶縁破壊電圧 |
研究概要 |
無声放電技術を用いて活性化したHFC134aガス成分を菜種エステル油とシリコーン油に結合させた変性油を試作し、EHDポンピングと電気絶縁強度を調べ新しい知見を得た。 1.FT-IR ATR法を用いて標準油と変性油のスペクトル差を測定した。変性菜種エステル油ではC-FとC-Oラジカルが形成され、変性シリコーン油ではC-HとC-Oラジカルが形成される。 2.擬似ドーナッツ-平板電極系を用いてEHDポンピングを調べた。標準油に比べて変性油のポンピングは非常に強化され液体ジェットが発生する。伝導電流は20kVの印加電圧で1μA以下である。また、平行平板電極間の電位分布測定から、変性油は電極付近にヘテロチャージ層を形成することが分かった。このチャージ層は液体中のイオン化成分に起因し、液体ジェットは純伝導ポンピングメカニズムによることが示唆された。 3.供試油のインパルス沿面放電特性と交流破壊電圧を測定した。変性油の正極性沿面ストリーマは標準油に比べて15%程度長く進展する。また、変性油の交流破壊電圧は標準油より低下する。しかし、変性菜種エステル油は、標準の鉱油に匹敵する電気絶縁耐力を有する。 一方、EHDポンピングの効果を十分に引き出すため「同軸円錐型電極系」を新たに考案し、作動液体にHFC43-10を用いてポンピング能力を調べた。この電極系は円錐筒の中心軸上に棒電極を取り付けた単純構造であるが、強力な液体ジェットを発生する。また、電極ギャップ間の電位分布を測定し、液体ジェットが純伝導ポンピングによることを実験と理論から明確にした。さらに、棒電極表面の部分的な絶縁コーティンは、ポンピング圧力を増し伝導電流を低減する効果があり、伝熱促進技術の省エネルギー化が図れる。本研究で提案・開発した絶縁油は環境に優しく、EHDポンピング技術と併用して油入電力変圧器などの電気絶縁と冷却技術に利用できる。この場合、EHDメカニズムと電気絶縁の相反的関係を考慮する必要がある。
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