研究課題/領域番号 |
18560310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
寺田 教男 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20322323)
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研究分担者 |
奥田 哲治 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20347082)
小原 幸三 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10094129)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 超伝導材料・素子 / 量子エレクトロニクス / 薄膜 / 表面・界面物性 / 強相関エレクトロニクス / Surface and Interface |
研究概要 |
独自に発見した有望な超伝導薄膜材料であるパルスレーザーアブレーション法による(Cu,C)-Ba-0系高温超伝導膜に関して、1)in-situ光電子分光による超伝導特性と電子構造の関連の評価、2)in-situ評価による膜構造・伝導特性の作成パラメーター依存性を明らかにし中核的課題である同薄膜の特性改善・低温成長等のプロセス条件の緩和の両立を達成した。 1)では、i)この系の1201相の超伝導がホールドープに起因すること、ii)その伝導度向上・超伝導発現がCO3基あるいは過剰酸素の導入によるフェルミ準位の低下に対応していること、iii)このときの電子構造変化はほぼリジッドバンド的であり、陰イオンが導入されるサイトがドーピング初期におけるBaイオン周辺から、ドーピングの進行に伴ってCuイオン周辺に移ることを明らかにした。また、電子構造とTcの関係から、現在までに得られた超伝導膜(Tc-onset>60K、T_c(p=0)>40K)がアンダードープ領域にあることが分かった。2)では、iv)ドーピンクレベルの支配要因の一つであるCO3基の薄膜内濃度が膜堆積速度と正相関にあること、v)CO3濃度が、レーザーアブレーションでは、通常、軽微とされているアブレーション粒子による成長面衝撃に依存し、CO3濃度の制御には基盤配置、高エネルギー粒子のターゲット・成長面間での散乱過程を成長速度と併せて制御することが必要なことを明らかにした。これらにより、T_c_<-onset>>60K、T_c(p=0)>40K且つ表面凹凸が1〜2ユニットセル以内の優れた超伝導特性と表面平坦性を有する(Cu,C)-1201相薄膜を500〜600℃で低温形成するための手法を確立した。 以上の成果は、この系が優れた低形成温度エレクトロニクス材料であることを実証するものであるとともに、その再現性の作成手法が確立されたことを示している。また、高特性・超平坦性が同時実現は、人工格子法による多層化・多成分系超伝導材料の創成の鍵となるものである。これらにより課題名に表された本研究の目的は達成されたと考える。
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