研究概要 |
2005年8月24目、つくば市と秋葉原を結ぶ「つくばエクスプレス(以下:TX)」が開業し、つくば市とその周辺地域では、路線バスの再編や駅の新設・道路整備などが行われ、地域内の交通体系が大きく変化した。住民の移動が自動車に大きく依存したこの地域では、TX開業を契機に、周辺住民の公共交通機関への関心や利用行動が変化することが期待される。 本研究では,つくば市および周辺地域を対象としたTX開業前後の交通行動実態ならびに自動車利用抑制意図が無い人を含めたTFPを実施した.これより,TFPの効果と交通行動特性等との関連を分析し,TFP拡大実施の可能性を探った. 開業前後の交通行動実態調査から、幹線交通までのアクセス手段選択行動の構造に大きな変化が生じており、さらに、環境等への配慮に対する意識の違いが、アクセス手段に大きな変化をもたらしていることを把握することが出来た。 また,自動車利用抑制意図には,「主要駅までの距離」と「自転車保有ならびに日常の利用状況」が有意に影響していることが明らかとなった.以上をもとに自動車利用抑制意図の判別モデルを構築したところ,TFP拡大実施のためには、主要駅である「つくば駅」近隣地域での実施が効率的であるとの結論を得た. 以上のことから、TXという新線鉄道の開設と、それに伴って変化した公共交通サービスによって、住民の交通行動に大きな変化がもたらされたことと、TFPによる、より公共交通利用促進が図られることが明らかになった。
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