研究概要 |
1.実験室実験 普通コンクリート領域の単位セメント量と高強度コンクリート領域の単位セメント量の2水準において,フライアッシュを外割大量混合したコンクリートについて40℃気中養生というコンクリートには厳しい環境下での強度発現性状に関する実験を行い,標準養生の場合と比較検討した結果,次の知見を得た。単位セメント量が大きい場合,フライアッシュの混合量を増加しすぎると圧縮強度に悪影響を及ぼすことが明らかになった。標準養生における単位セメント量が大きい時のフライアッシュ混合量は100kg/m^3程度混合したときが圧縮強度の発現には最適であり,それ以上混合しても効果は少ない。単位セメント量600kg/m^3以上の時のセメント単身のコンクリートにおいて標準養生では100N/mm^2程度の圧縮強度を発現していたものが,40℃気中養生というコンクリートにとって厳しい条件下では80N/mm^2程度の圧縮強度に低下した。フライアッシュを外割混合すると単位フライアッシュ量200kg/m^3程度までなら40℃気中養生でも標準養生と同程度の圧縮強度(本実験では110N/mm^2程度)を発現することができた。 2.実機試験 沖縄県の生コン工場において沖縄県で発生したフライアッシュをスラリー化して,それを外割大量混合したコンクリートから模擬柱試験体を作成し,実機実験により強度性状を確認した結果,以下の知見を得た。フライアッシュをスラリー濃度60wt%でスラリー化した混和材を外割混合したコンクリートは生コン工場の実機プラントで練り混ぜ可能であり,実大試験体も作成可能であることが確認できた。フライアッシュを外割混合した調合の簡易断熱養生供試体とコア強度,及び現場封緘養生供試体とコア強度はかなり近い値を示した.従って,簡易断熱養生と現場封緘養生の供試体から,構造体コンクリート強度をある程度推定することができる。
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