研究課題/領域番号 |
18560599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田上 健一 九州大学, 大学院・芸術工学研究研院, 准教授 (50284956)
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研究分担者 |
谷 正和 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (60281549)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,910千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 端島 / 高層アパートメント / 生活史 / 近代化遺産 / 炭坑 |
研究概要 |
本研究は、戦前期地方において既に高密度かつ立体的な居住形態を生み出した端島(通称:軍艦島)を対象として、端島の高層高密度アパートメントが居住者にどのように住みこなされてきたのかといった「生活史的観点」と、共同的住環境運営やメンテナンスの変遷など「管理運営方式の観点」という二つの観点から、居住の実態を体験記述方法を用い再検証することにより、持続的な居住空間の構築方法への知見を得ることを第一の目的とした。 特に、高齢化の進む旧居住者の生活実態に基づく生活史の採取に重点的に取り組み、リビングヒストリーとして分析し空間論的な知見を加えた。リビングヒストリーの分析からは、個々の立体的・開放的な生活実態の詳細を明らかにするとともに、詰所と呼ばれる管理組織・場所が共同生活の維持・制御に大きな役割を果たしていたことが明らかになった。このことは、既往研究においても全く触れられておらず、新しい事実の発見となった。 また、崩壊が進行する同島の近代化遺産としての活用施策について、さらに近代化産業遺産利活用の先進事例と照らし合わせながら、生活史の現地における展示公開方法など独自の検討を行った。高密度立体街区の設計方法とその過程を詳細に検討した結果、いくつかの空間的法則が明らかになり、今後の展示方法に寄与できると考えられる。 史料分析、現地調査、参加型ワークショップの開催と断続的な体験記述採取調査を行った結果、特に、生活史採取のための旧居住者へのヒアリングからは、これまでは負の記憶として記述されることが多かったことに対して、環境の共同制御などについて、住宅計画上の知見が得られることを指摘した。
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