研究課題
基盤研究(C)
本研究は20世紀初頭のドイツに見られる工芸学校(Kunstgewerbeschule)の教育改革をめぐって、主導的な立場で一連の改革を推進した商務省州産業局(Landesgewerbeamt)の活動と施策に焦点を当て、その実態を解明しようと試みるものである。また、この部局のなかで中心的な役割を果たした建築家ヘルマン・ムテジウスに着目し、その工芸および建築に対する理念が学校教育という場でどのように展開されたのか、という点を検証する。これらの作業を通じて、とくに工芸学校の教育制度・システムという観点から、ドイツにおける工芸および建築の近代化の過程について、新たな視座を獲得、提示することを目的としている。商務省の官報誌『Ministerialblatt der Handels-und Gewerbe-Verwaltung』、州産業局の年次報告書『Verwaltungsbehcht des koeniglich Preussischen Landesgewerbeamts』等を主たる典拠資料として、主にその組織構成と業務の具体的内容、また工芸学校の定義とその広がり、歴史的な発展の様相について分析した。下記3点の個別的テーマを設定し、最終的にこれら3つのテーマを総合することにより、この時期のドイツにおける工芸学校改革の動向を近代建築史・デザイン史の枠組みに位置づけることを試みた。1.イギリスの工芸・建築改革運動のドイツヘの伝播-ヘルマン・ムテジウスを通じて2.商務省州産業局による工芸学校改革の目的とその施策-教育工房の導入について3.デュッセルドルフ工芸学校の再編-ペーター・ベーレンスの教育活動についてさらに、これら3テーマに通底する、工芸および建築の近代化推進のための理念、思想について検討した。本研究は、工芸学校教育という限定された分野を直接の対象にするものだが、バウハウスの教育システムとの関連など、そこに投影された理念がより広範な近代化推進の潮流と密接に連関するものであることを指摘し、ドイツにおける近代建築の展開の多面性について叙述した。
すべて 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (14件) 学会発表 (4件) 図書 (4件)
コンフォルト 101
ページ: 143-143
研究論文集日独百年の建築・都市計画における相互交流Dreams of the Other-彼岸の夢 : 桂、バウハウス、ブルーノ・ ダウトから新しいエコロジーへ
ページ: 94-108
建築史学 49
ページ: 84-109
2007年度日本建築学会大会学術講演梗概集 F-2
ページ: 275-276
平成19年度第51回日本大学理工学部学術講演会論文集 建築計画系
ページ: 736-737
A Hundred Years of Japanese Architecture and German Town Planning in Mutual View, [Dreams of the Other] the Japanese House, Villa Katsura, Bauhaus, Bruno Taut and the New Ecology, Kobe University, the 21<st>Century COE Program
Kenchikushigaku Vol. 49
2006年度日本建築学会大会学術講演梗概集 F-2
ページ: 227-228
近代工芸運動の総合的国際評価研究
ページ: 62-73
日独百年の建築・都市計画における相互交流[Dreams of the Other-彼岸の夢]-桂、バウハウス、ブルーノ・タウトから新しいエコロジーへ-
Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, 2006, History and Theory of Architecture F-2
Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, 2007, History and Theory of Architecture F-2
Proeeding of the 51th research meetings, 2007, Architectural section, College of Science and Technology, Nihon University Vol. 2