研究課題/領域番号 |
18560641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30281992)
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研究分担者 |
進藤 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20154396)
赤瀬 善太郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90372317)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,730千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 電子線ホログラフィー / 強磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / マルチフェロイック / 電子顕微鏡 / 電子回折 / ドメイン構造 / 磁区 / TEM / 磁区構造 / 相変態 / マルテンサイト / 組織制御 |
研究概要 |
本研究は、研究代表者が一部の強磁性形状記憶合金において見出したマルテンサイト変態に先立っ巨視的なパターン形成現象(Murakami et al. APL,2004)の成因を解明すると共に、低温相であるマルテンサイトの結晶学的ドメイン構造との相関を明らかにすることを目的に行われた。Ni-Fe-Ga、Ni-Co-Mn-In、Fe-Pd合金など、様々な強磁性形状記憶合金の母相における磁束分布を電子線ホログラフィーで可視化し、冷却によってマルテンサイト変態が生じるまでの磁束パターンの温度依存性を詳細に調べた。その結果、Ni-Fe-GaやFe-Pd合金では、冷却に伴い母相の磁束パターンが明確に変化すると同時に、マルテンサイト変態開始温度(Ms)直上の磁束パターンとマルテンサイトの磁区構造に相関が見られるという結果が得られた。これに対して、Ni-Co-Mn-In合金の母相は顕著な磁束パターンの温度依存性を示さず、その磁区構造はマルテンサイトバリアントとも明確な対応関係を示さなかった。エネルギーフィルター電子回折法による散漫散乱の強度解析の結果、巨視的なパターン形成現象を示す合金では、母相の{110}面の格子変調が冷却と共に顕在化する共通の性質が確認された。しかしながら、Ni-Co-Mn-In合金ではこの格子変調が他の合金に比べて弱いという結果を得た。更に、磁場中冷却とゼロ磁場冷却で生じるバリアント組織の比較検討なども考慮した結果、電子線ホログラフィーで観察される巨視的なパターン形成は、マルテンサイト変態に前駆して起こる母相の格子変調に起因する現象であることが判明した。これらの研究結果は、強磁性形状記憶合金の材料設計においても重要な要素である、マルテンサイトバリアントの組織制御にも新たな指針を与える重要な成果と言える。
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