研究課題/領域番号 |
18560673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
劉 玉付 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員准教授 (80354223)
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研究分担者 |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, 主幹研究員 (60343844)
垣澤 英樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 主任研究員 (30354137)
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連携研究者 |
田中 義久 独立行政法人物質・材料研究機構, 主幹研究員 (60343844)
垣澤 英樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 主幹研究員 (30354137)
住友 太郎
大脇 悠介
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,940千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 540千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 強度 / 靭性 / 破壊 / バイオ材料 / 積層材料 / 有機無機 / シミュレーション / 稽層材料 |
研究概要 |
日本沿岸産のメガイアワビを用い、貝殻真珠層の積層面に垂直な方向に引張試験、引張破壊試験を行い、基礎的な力学特性データを取得した。引張破壊試験のその場電子顕微鏡観察を行い、破壊が板状アラゴナイトの破断ではなく、板状アラゴナイトの引き抜けによって生じることを確認した。このことから、積層面に垂直な方向に引張荷重を加えた際の主要な高靭化メカニズムは板状アラゴナイトのプルアウトであることを明らかにした上、アワビの殻の有機層が破断後の粘弾性変形が回復可能できることも証明し、そのメカニズムは蛋白質の水和反応による伸張ならびに収縮によるものと考えられる。また、ナノメートルオーダーでの観察には変形や損傷が生じた部分のTEM 用試験片を切り出し、詳細に観察したことにより、有機物層の微視変形と破壊挙動がアワビの殻の巨視的力学挙動との関連性を得た。 アワビの殻の変形・破壊過程をシミュレートするため、界面ではく離現象に着目した力学モデルを開発し、はく離エネルギーを評価した。また、セラミックス層の単結晶を模倣したサファイアが曲げ負荷の分子動力学シミュレーションを行い、表面のナノサイズのスクラッチから応力集中を生じ、ナノサイズの表面欠陥でも破壊に及ぼす影響が大きいことが明らかになった。アワビの殻の多層組織を模倣するための材料合成プロセスとして、アルミノケイ酸ガラスフレークにマトリックス材料をコーティングし焼結で得られた材料の3点曲げ試験では、ガラス単体の数百倍の破壊仕事を得た。
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