研究課題/領域番号 |
18560676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 日本大学 (2007) 豊橋技術科学大学 (2006) |
研究代表者 |
西宮 伸幸 日本大学, 理工学部, 教授 (90283499)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,620千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 単層カーボンナノチューブ / 金属修飾 / 熱量計 / 水素貯蔵材料 / 比表面積 / 安定性の逆転則 / 水素吸蔵材料 / カーボンナノチューブ |
研究概要 |
Ni-Y触媒を練りこんだグラファイト棒のアーク放電によって合成した単層カーボンナノチューブを硝酸中で超音波処理してバンドル状構造をほぐし、アーク放電時に混入した金属種を除去した試料の水素収着量は、室温、0.1Mpaで0.1wt.%以下であり、実質的にゼロとなった。 無電解メッキ法または有機金属分解法により単層カーボンナノチューブを金属修飾し、収着させた重水素を真空中で脱離させる手法で評価したところ、パラジウム、鉄、ニッケルなどの単体もしくは複合体を分散させた時に水素容量が増大することが分かった。しかし、単層カーボンナノチューブの金属修飾を事後の湿式法で行うよりは、アーク放電によるカーボンナノチューブ合成と同時に金属を気相で修飾する気相法(PVD法)で合成するほうが、試料の水素容量は大きかった。 熱量計で測定した燃焼熱は、鉄族元素で修飾した時に炭素の燃焼熱を大きく超えており、吸熱的な結合生成が炭素と金属元素の間に起ったことが示唆される。水素吸蔵合金の分野で成立する「安定性の逆転則」を適用すると、エンタルピー的に不安定になった鉄族元素修飾体が安定な水素化物を作る、と予想され、実験結果と合う。現状の比表面積が200m^2/g程度と小さい割には水素容量が1wt.%程度に近いため、比表面積を2,000m^2/g程度に高めれば実用領域に近づくと考えている。 化学蒸着法(CVD法)で単層カーボンナノチューブを合成する際にその場で金属修飾する方法を試みた結果、Mg-NiまたはMg-Feで修飾した系は、真空加熱による水素脱離の評価において、PVD法による試料よりも高い水素容量を示した。等温線測定によって性能を見極めるため、大量合成を進めている。 炭素シート類似のB-C-N化合物において金属修飾によって水素収着性が付与されることも波及的に見出した。
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