研究課題/領域番号 |
18560683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
澤口 孝宏 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, 主任研究員 (30354161)
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研究分担者 |
小川 一行 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, 主幹研究員 (60370318)
長島 伸夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料信頼性センター, 主任研究員 (30354252)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,780千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 制震 / 減災 / 内部摩擦 / 形状記憶合金 / 電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 国際情報交換 / インド |
研究概要 |
Fe-Mn-Si基形状記憶合金(FMS)やFe-Mn制振合金(BFM)を対象として、擬弾性、内部摩擦および低サイクル疲労特性に関する系統的調査を行った。FMSは、(1)A_s点以上M_d点以下で現れる変態擬弾性、および(2)A_s点以下でも現れる変態擬弾性とは異なるメカニズムの擬弾性を示すことがわかった。後者の擬弾性には熱的に励起された半転位の運動が寄与する。内部摩擦の測定では、FMSがひずみ振幅依存型の制振挙動を示すことも判明した。さらに、10^<-4>以上の大ひずみ振幅に対する制振特性を低サイクル疲労試験によって測定した結果、繰り返し引張圧縮塑性変形によりγ/ε界面が可逆的に運動することが判明した。以上の現象はいずれもγ/ε界面または積層欠陥(半転位)の静的または動的な運動が関与するものであり、相互に関連している。FMSにNbC炭化物を微細析出させると、微細NbCがε相の核生成サイトとなってε板が微細化し、形状記憶特性や変態擬弾性などの静的界面運動の可逆性が向上するが、内部摩擦、大ひずみ振動吸収などの動的界面運動は妨げられることもわかった。一方、BFMでは、変形時すべり変形を生じて、応力誘起ε変態が部分的になるため、FMSより大ひずみでの制振特性は劣るが、積層欠陥を高濃度に含むため、擬弾性や内部摩擦の値はFMS同程度かそれ以上に高い。さらに、Si量やMn量を変化させた合金の磁気変態点、母相強度、積層欠陥エネルギー、εマルテンサイト生成量増加などを整理した結果、対地震用制振効果を得るための条件が以下の通り判明した。(1)M_s点およびT_N点が室温以下であること、(2)積層欠陥エネルギーが低く、母相強度が高いこと。
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