研究課題/領域番号 |
18560730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応工学・プロセスシステム
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
羽深 等 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (40323927)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,070千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 水晶振動子 / 有機物分子 / 吸着 / 脱離 / 速度定数 / 分子間相互作用 |
研究概要 |
シリコン表面に吸着する有機物分子同士の相互作用を速度論的視点から測定・評価する方法を検討し、それを用いて挙動を考察した。平成19年度において本研究では、シリコン表面とそこに吸着する分子、特に水、イソプロパノール(IPA)、フタル酸ジエチル(DEP)の三成分系において得られる吸着速度定数、脱離速度定数から分子間の相互作用に相当する項を抽出して数値化し、それを用いてIPAとDEPの分子間相互作用を考察した。 水晶振動子表面に水分子を吸着させ、定常状態に到達したことを確認した後、IPA及びDEPの混合蒸気を与え、合計の吸着と脱離の速度を測定した。その挙動を多成分系有機物吸着汚染(MOSAIC)モデルを用いて数値計算により解析した。ここで得られた吸着脱離挙動から次の結論が得られた。 (1)二成分系の吸着脱離挙動が、それぞれの単成分有機物系の吸着・脱離速度定数を用いて表現できる。 (2)有効最大吸着量は、気相における有機物の組成に応じて変化する。 (3)MOSAICモデルを基に、二成分系の有効最大吸着量は、単成分系の吸着脱離速度定数および各成分の気中濃度の関数として表される。 (4)単成分系の有効最大吸着量から有機物分子がそれぞれ占有する領域の大きさを概算したところ、DEP分子はIPA分子の約2倍の半径を占有する。(原子間距離を総合して概算すると、納得し得る比率であることが示された。) (5)、最大量吸着時におけるIPA分子とDEP分子の占有合計面積を加算したところ、二成分系において分子間相互作用を無視した場合に予想される面積に一致した。これにより、IPA分子とDEP分子の間には、考慮すべき大きさの分子間相互作用が存在しないことが判断された。 水晶振動子法により、分子の占有面積比を実測可能であること、分子間の相互作用を実測により研究し得ることが、本研究により示された。
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