研究課題/領域番号 |
18560764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶海洋工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多部田 茂 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (40262406)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 海洋生態系モデル / 炭素収支 / 人工湧昇流 / 難分解性有機物 / 炭素窒素比 / 食料経済モデル / 食糧自給率 / food self-sufficiency rate |
研究概要 |
海洋生態系における炭素や窒素の循環をシミュレーションするための生態系モデルを構築した。低次生態系の窒素循環を扱うときに広く用いられているKKYSモデルをベースとし、植物プランクトンの分解実験に基づいて構築されたPDP(Phytoplankton Decomposition Process)モデルを参考にして拡張した。構築した生態系モデルを海域の流れや成層を再現する物理モデルと結合し、人工湧昇流を対象とした実海域の計算を行って観測値との比較により再現性を確認した。その際、長期間の炭素収支の推定には、準難分解性有機物の分解に支配される物質循環が重要であることが示唆された。そこで、3次元モデル(短期モデル)では易分解性有機物の分解に支配される物質循環がほぼ定常になるまでの時間スケールの計算を行い、その結果を用いて鉛直1次元モデルで長期の炭素収支を計算することによって、対象海域における長期間の炭素収支を推定するスキームを構築した。海底マウンドによる人工湧昇流に関して炭素隔離量評価モデルを用いたシミュレーションを実施し、炭素/窒素比の鉛直プロファイルが準難分解性有機物の生成・分解の影響によって徐々に変化し,それに伴って大気一海洋間の炭素収支が変動することを示した。また、オホーツク海沿岸や沖ノ鳥島周辺海域など日本近海のいくつかの海域において、海域の特徴を考慮した生態系モデルを構築し、物質循環のシミュレーションを実施した。さらに、海域肥沃化技術を導入したときの社会経済的な影響を評価するために、水産物を考慮した食料経済モデルを開発した。それを用いた日本の将来の動物性タンパク源食料(肉類・水産物)の需給予測、および海域肥沃化による水産物増産がこれらの需給に与える影響の予測を行ない、日本の食糧自給率に及ぼす水産物の重要性を示した。
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