研究課題/領域番号 |
18570003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土本 卓 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60212057)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,780千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | イネ / SINE / siRNA / レトロポゾン / エピジェネティック / メチル化 |
研究概要 |
イネのSINE,p-SINE1,の発現抑制機構を明らかにするため、イネの5つのDCL遺伝子(DCL1-DCL5)のそれぞれの発現を抑えたイネ培養細胞系統から低分子量RNAを精製して、p-SINE1 siRNAをノーザン解析で検出した。その結果、すべての系統でsiRNA量が野生型より減少していたが、特にDCL3とDCL5の発現抑制系統においてsiRNA量が大きく減少していた。この結果はp-SINE1 siRNAの生成に複数のDCLタンパク質、特にDCL3とDCL5、が関与していることを強く示唆する。前項と同じ培養細胞系統から全RNAを抽出し、p-SINE1転写産物をノーザン解析で検出した。その結果、DCL3とDCL5の発現抑制系統において顕著にp-SINE1転写産物量が増加することが確認された。これらの結果はp-SINE1の発現抑制にsiRNAが関与していることを強く示唆する。また、これらのDCL発現抑制系統におけるp-SINE1配列のメチル化を調べた。その結果、p-SINE1転写産物量の増加とp-SINE1配列のメチル化の減少との間には相関が認められなかった。この結果は、p-SINE1の発現抑制にDNAメチル化以外の機構が関与していることを示唆する。 一方、イネゲノムから、p-SINE1と異なる3種類の新規のSINE、OsSN1-OsSN3を同定した。これらはp-SINE1と異なり3'端にpoly(A)配列を持っており、p-SINE1との配列の相同性は全くなかった。しかしそれらはp-SINE1同様、染色体の遺伝子に富む領域に多く存在しており、特にOsSN3はその20%以上のメンバーが遺伝子内のイントロンに存在していることがわかった。これは、p-SINE1同様、それらSINEから生成するsiRNAが近傍に存在する遺伝子の発現に影響を与える可能性を示唆している。
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