研究課題/領域番号 |
18570006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北村 憲司 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教 (40214811)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,960千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 細胞周期 / 減数分裂 / ユビキチン / 蛋白質分解 / 染色体分配 / 分子生物学 |
研究概要 |
後期開始複合体(APC/C)は細胞周期調節因子の分解を制御するユビキチンリガーゼで、その時期特異的サブユニットであるCdh1/Ste9が機能しない分裂酵母細胞は、栄養欠乏時でも全く細胞分化できない。ところが分化に必須のRas-MAPK経路を強く活性化すると、G1期での増殖停止がないにもかかわらず、染色体の不均等分配を伴う異常な減数分裂と細胞分化が起こる。詳しく調べると還元分配が起きるはずの第一減数分裂時に、姉妹染色分体が両極に均等分配されていた。減数分裂特異的Rec8 cohesinが機能しないと同様の形質を示すが、ste9/cdh1欠損細胞胞ではRec8はDNAに局在している様であり、Rec8の他に異常の原因があると考えられる。APC/Cの代表的な基質であるサイクリン蛋白質の減数分裂進行における発現を調べたところ、正常細胞では減数分裂に先立つG1期停止でM期サイクリンのCdc13量が一旦減少し、減数分裂の開始に伴って第一・第二核分裂をピークに発現が上昇した後、分解されて減数分裂を終了した。APC/C^<Ste9/Cdh1>が機能しない細胞では、栄養欠乏によりCdc13量が高いままG2期で停止する。この時Ras-MAPK経路が活性化されると、Cdc13量が減る事無く、DNA合成を伴わずにそのまま減数核分裂を開始して染色体分配が異常になった。興味深い事に、ste9/cdh1細胞においても減数分裂終了時にはCdc13は正常に分解された事から、Ste9以外の分解因子の寄与が示唆される。以上の結果から、APC/C^<Ste9/Cdh1>は減数分裂の進行自体には必要ないものの、減数分裂前にサイクリンを分解してCDK活性を抑え、G2期からの不適切な減数分裂開始を防ぐ役割があると考えられる。
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