マッコウクジラにおける採餌行動の文化的差異

• 研究課題/領域番号: 18570010
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 長崎大学 (2008); 帝京科学大学 (2006-2007)
• 研究代表者: 天野 雅男 長崎大学, 水産学部, 教授 (50270905)
• 研究分担者: 吉岡 基 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30262992)
• 連携研究者: 吉岡 基 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30262992)
• 研究協力者: 宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 ; 森 恭一 小笠原ホエールウォッチング協会, 主任研究員 ; 青木 かがり 東京大学, 海洋研究所, 特任研究員 ; 興梠 あや 帝京科学大学, 大学院・理工学研究科, 大学院生 ; 佐藤 晴子 シーライフウォッチ ; 窪寺 恒己 国立科学博物館, 室長
• 研究期間 (年度): 2006 – 2008
• 研究課題ステータス: 完了 (2008年度)
• 配分額: 4,070千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 570千円); 2008年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
• キーワード: マッコウクジラ / 採餌行動 / 音声クラン / ハクジラ類 / データロガー

研究概要

研究期間の間、和歌山県熊野灘で4頭、小笠原父島沖で12 頭のマッコウクジラに加速度計測型データロガーを装着した。これらのデータを解析したところ、海域間で採餌行動に違いがあることが明らかとなった。また、両海域ではコミュニケーションに用いられる音声であるコーダに差異があり、異なる家系群(クラン)が存在していることが明らかとなった。このことから両海域の採餌行動の差異は、クランの違いによるものであり、特徴的な採餌行動パタンは文化的なものである可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Stereotypical resting behavior of the sperm whale (2008)
  • 著者名/発表者名: Miller, P. J. O., Aoki, K., Rendell, L. E. and Amano, M.
  • 雑誌名: Current Biology 18
  • 査読あり
• [雑誌論文] Measurement of swimming speed in sperm whales. (2008)
  • 著者名/発表者名: Aoki, K., Amano, M., Sugiyama, N., Muramoto, H., Suzuki, M., Yoshioka, M., Mori, K., Tokuda, D., Miyazaki, N.
  • 雑誌名: Proceedings of International Symposium on Underwater Technology 2007 and International Workshop on Scientific Use of Submarine Cables and Related Technologies ページ: 467-471
• [雑誌論文] Stereotypical resting behavior of the sperm whale. (2008)
  • 著者名/発表者名: Miller, P.J.O.
  • 雑誌名: Current Biology 18
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diel diving behavior of sperm whales off Japan (2007)
  • 著者名/発表者名: Aoki, K., Amano, M., Yoshioka, M., Mori, K., Tokuda, D. and Miyazaki, N.
  • 雑誌名: Marine Ecology Progress Series 349 ページ: 277-287
  • 査読あり
• [雑誌論文] Stroke frequency, but not swimming speed, is related to body size in free-ranging seabirds, pinnipeds and cetaceans (2007)
  • 著者名/発表者名: Sato, K., Watanuki, Y., Takahashi, A., Miller, P. J. O., Tanaka, H., Kawabe, R., Ponganis, P. J., Handrich, Y., Akamatsu, T., Watanabe, Y., Mitani, Y., Costa, D. P., Bost, C.-A., Aoki, K., Amano, M., Trathan, P., Shapiro, A. and Naito, Y
  • 雑誌名: Proceedings of the Royal Society Ser B 274 ページ: 471-477
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diel diving behavior of sperm whales off Japan. (2007)
  • 著者名/発表者名: Aoki, K.
  • 雑誌名: Marine Ecology Progress Series 349 ページ: 277-287
  • 査読あり
• [学会発表] Analysis of diving behavior of sperm whales using advanced data loggers. (2009)
  • 著者名/発表者名: Miyazaki, N., Aoki, K., Amano, M., Yoshioka, M., Mori, K., Tokuda, D.
  • 学会等名: Conference of the European Cetacean Society
  • 発表場所: トルコ、イスタンブール
  • 年月日: 2009-03-04
• [学会発表] データロガーによって得られた速度と加速度から推定したマッコウクジラの旋回半径 (2009)
  • 著者名/発表者名: 青木かがり・佐藤克文・天野雅男・森恭一・宮崎信之
  • 学会等名: 日本水産学会20年度春季大会
  • 発表場所: 東京海洋大学
• [学会発表] Analysis of diving behavior of sperm whales using advanced data loggers (2009)
  • 著者名/発表者名: Miyazaki, N., Aoki, K., Amano, M., Yoshioka, M., Mori, K., and Tokuda, D.
  • 学会等名: Conference of the European Cetacean Society
  • 発表場所: Istanbul, Turky
• [学会発表] 根室海峡におけるマッコウクジラの潜水行動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 天野雅男, 青木かがり, 佐藤晴子, 興梠あや, 宮崎信之
  • 学会等名: 平成20年度バイオロギングシンポジウム
  • 発表場所: 長崎大学
  • 年月日: 2008-11-15
• [学会発表] 根室海峡におけるマッコウクジラの潜水行動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 天野雅男・青木かがり・佐藤晴子・興梠あや・宮崎信之
  • 学会等名: 平成20年度日本バイオロギング研究会シンポジウム
  • 発表場所: 長崎大学
• [学会発表] 根室海峡におけるマッコウクジラの潜水行動 (2008)
  • 著者名/発表者名: 天野雅男・青木かがり・佐藤晴子・興梠あや・宮崎信之
  • 学会等名: 平成20年度日本哺乳類学会大会
  • 発表場所: 山口大学
• [学会発表] バイオロギングシステムを用いた水生動物研究12マッコウクジラは餌生物をどのように捕獲しているか : 遊泳速度のバースト解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 青木かがり・天野雅男・吉岡基・森恭一・徳田大輔・宮崎信之
  • 学会等名: 平成20年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 東海大学
• [学会発表] 加速度データロガーによって得られたマッコウクジラの潜水行動-マッコウクジラは浮力調節しているか? (2007)
  • 著者名/発表者名: 青木かがり・天野雅男・吉岡基・森恭一・佐藤克文・徳田大輔・宮崎信之
  • 学会等名: 第2回バイオロギング研究会シンポジウム
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2007-10-07
• [学会発表] マッコウクジラは深海で何をしているのか (2007)
  • 著者名/発表者名: 天野雅男
  • 学会等名: 国立科学博物館・OWS共催第4回海のセミナー
  • 発表場所: 国立科学博物館分館
  • 年月日: 2007-02-17
• [学会発表] Bursts of swimming speed in sperm whales : how do they capture prey? (2007)
  • 著者名/発表者名: Aoki, K. Amano, M., Yoshioka, M., Mori, K., Tokuda, D., Miyazaki, N
  • 学会等名: 17th Biennial Conference of the Biology of Marine Mammals
  • 発表場所: Cape Town, South Africa
• [学会発表] Life history and group composition of melon-headed whales based on mass strandings on the Japanese coast (2007)
  • 著者名/発表者名: Amano, M., Yamada, T. K., Kuramochi, T., Hayano, A., Arai, K. and Sakai, T
  • 学会等名: 17th Biennial Conference on the Biology of Marine Mammals
  • 発表場所: Cape Town, South Africa
• [学会発表] バイオロギングシステムを用いた水生動物研究2-マッコウクジラにおける採餌潜水深度の選択- (2007)
  • 著者名/発表者名: 青木かがり・天野雅男・吉岡基・森恭一・徳田大輔・宮崎信之
  • 学会等名: 平成19年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 東京海洋大学
• [学会発表] 日本近海における小型ハクジラ類の個体群構造 (2006)
  • 著者名/発表者名: 天野雅男
  • 学会等名: 日本哺乳類学会2006年大会シンポジウム「動物地理学の最近の進展」
  • 発表場所: 京都大学