研究課題
基盤研究(C)
周期ゼミは、アメリカ合衆国の東部から中西部にかけて分布するセミで、13年および17年の素数の周期で大発生することで有名である。本研究の目的は、周期ゼミの特徴の素数周期の確立を数理的に再現し、素数周期の進化ファクターを特定することである。本研究での目的のために、まず、周期ゼミの進化プロセスを以下の2つのステージとして考えた。(1)周期性の獲得プロセス:氷河期到来による寒冷化により、周期性が進化する。(2)素数周期の確立:10年から20年の周期性のあるブルードが交雑して個体数を減少させ絶滅する。今年度の研究では、この2つ目の素数周期の確立プロセスを決定論的な数理モデルの数値計算により確認した。また、素数周期の成立するパラメータから、その成立が絶滅限界でのみ起こることを示した。さらに、多数の非素数などが存続するパラメータ領域での個体数密度にギャップがあることを示した。つまり、すべての非素数の周期の絶滅限界では密度が一様に低下していくが、その絶滅限界の外側で、素数周期の密度が高くなる条件があることを示した。また、13年や11年に素数周期ではその境界付近に絶滅領域があり、素数周期の成立条件が一般の絶滅限界の外側に存在することを示した。つまり、10年から20年の周期性のあるブルードが、発生地域で出会い、交雑して発生年がずれてしまい、個体数を減少させていく。そして、同時出現率の低い素数周期のみが、高い個体数を存続していく。素数周期の高い個体数により、他の非素数の周期は、素数周期と出会うと、頻度依存の交雑のために殆どすべての個体が交雑してしまい、絶滅するということを実証した。
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