研究課題
基盤研究(C)
代表者らは、COP9シグナロソーム(CSN)がユビキチン・プロテアソーム系のタンパク質分解機構を調節して、核内情報伝達を制御することを報告してきた。一方、CSN1の過剰発現系・発現抑制系を用いた詳細な解析から、タンパク質分解制御系のみでは説明できないCSNの新たな制御機構の存在を見出した。本課題では、CSN1の機能部位と直接結合する因子群を植物の系で同定し、このCSN結合因子群を手がかりに植物個体レベルの研究を行ない、CSNの新規機能の解明を目指した。本課題の成果を以下にまとめる。1.CSN結合因子候補のSAP130(spliceosome associated protein130)をコードする遺伝子は、シロイヌナズナゲノム上に2コピー近接して存在し、両遺伝子のmRNAが全器官で蓄積することを示した。各々の遺伝子のT-DNA挿入変異体を解析した結果、これまで形態変位は認められない。そこで、両遺伝子の機能を同時に抑制するRNAi株や特定部位欠損過剰発現植物を作出して詳細な解析を進めている。2.CSN1がSAP130と直接結合することを動植物の系で明らかにした。この結合はCSN1のN末端を介しており、ヒトと植物の結合の異同を詳細に比較した。これをもとにCSN1-SAP130の結合部位に特異的に変異を導入した植物体を作製して、形質転換植物の詳細解析を行なっている。さらに、ヒトSAP130はCRLのcullinと結合してポリユビキチン化活性を保持することを明らかにしSAP130の新機能を示した。3.複数の複合体間におけるSAP130の動態解明を目指し、植物個体でCSN1とSAP130に蛍光標識をつけ発現させた。各々局在は核および核膜に認められ、現在外部刺激における動態解析を進めている。上記の成果は、国内外の学会で発表され、高い評価を受けている国際誌に論文発表・投稿された。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (29件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (45件) 図書 (4件)
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