研究課題/領域番号 |
18570071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古川 康雄 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40209169)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | イオンチャネル / ペプチド / 構造機能相関 |
研究概要 |
本研究課題は、現在、アミノ酸配列が知られている唯一のペプチド作動性ナトリウムチャネルであるFMRFamide作動性Na^+チャネルの構造と機能を明らかにすることを目的として、FMRFamide作動性Na^+チャネルの生物物理学的特長の解析、および点変異体チャネルの作成とその機能解析を主に行った。その結果、次のような成果を得た。 (1)FMRFamide作動性Na^+チャネルの定常状態チャネル電流は内向き整流性をしめすが、この主要因は細胞内外のNa+濃度の不均衡によることがわかった。 (2)FMRFamide作動性Na^+チャネル電流は、外液にMg^<2+>が多いと増強され、Ca^<2+>が多いと阻害されたが、この主要因は、二価イオンによるチャネルゲート機構の修飾とチャネルポアブロックによることがわかった。 (3)FMRFamide作動性Na^+チャネルのゲート機構には電位依存性があり、過分極側でチャネルが開状態となりやすいこと、また、この電位依存性にも二価イオンが影響を与えることがわかった。 (4)上記のFMRFamide作動性Na^+チャネルに対する二価イオンの作用には、このチャネルのサブユニットのアミノ酸配列における552番目のアスパラギン酸が関与しており、この部位をアスパラギンに変えただけで二価イオン作用が消失、あるいは減弱した。 以上、FMRFamide作動性Na^+チャネルの生物物理学的特長を明らかし、特に、チャネルサブユニットにおける552番目のアスパラギン酸が、チャネルのゲート機構に大きく関わる部位であることを発見した。現在は、552番目のアスパラギン酸が二価イオン結合部位となることでチャネルゲート機構に関与するという仮説を検証するための研究を進めている。
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